住宅を新築する際には、基礎の種類を選ぶことが重要なポイントです。
基礎とは、建物の土台となる部分で、建物の安全性や快適性に大きく影響します。
基礎の種類には、ベタ基礎と布基礎の2種類がありますが、どちらを選ぶかで住宅の特徴やコストが変わってきます。
この記事では、布基礎のメリットとデメリットを詳しく解説します。
布基礎を選んだら後悔することはあるのでしょうか?
布基礎を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
布基礎とは、建物の柱や壁の下にだけ基礎を配置する方法です。
建物全体に基礎を施さないため、ベタ基礎と比べて鉄筋やコンクリートの使用量が少なくなります。
そのため、布基礎はベタ基礎よりもコストを抑えられるというメリットがあります。
しかし、布基礎にはデメリットもあります。
布基礎は、地盤の強さに左右されやすく、耐震性や耐久性がベタ基礎よりも劣ります。
また、床下の湿気やシロアリ被害にも注意が必要です。
布基礎のメリットは、主に以下の3つです。
布基礎の最大のメリットは、コストを抑えられることです。
布基礎は、ベタ基礎と比べて鉄筋やコンクリートの使用量が少なく、材料費・輸送費・人件費などを節約できます。
また、布基礎は残土が少なくなるため、残土の処理費用も抑えられます。
家づくりの予算を抑えたい場合や、基礎以外の部分にこだわりたい場合は、布基礎がおすすめです。
布基礎は、ベタ基礎よりも根入れを深くするよう定められています。
深い根入れを行った箇所ほど揺れに対する抵抗力が上がるため、部分的な強度を高めることができます。
鉄骨部分に荷重が集中しやすい鉄骨住宅や、地面が凍結しやすい雪国の住宅などにも、布基礎が適しています。
布基礎は、地盤の強さに左右されやすいというデメリットがありますが、逆に言えば、もともと強い地盤の土地では地盤改良が不要な場合があります。
地盤改良は、コストや工期に影響する大きな工事ですので、省くことができればメリットになります。
ただし、地盤の強さは土地ごとに異なりますので、必ず専門家に調査してもらうことが必要です。
布基礎のデメリットは、主に以下の3つです。
布基礎の最大のデメリットは、耐震性に劣ることです。
布基礎は、面ではなく点と線で支えるため力が分散されにくく、ベタ基礎と比べて耐震性を高めにくいです。
また、基礎の安定性が地盤の強さに左右されやすいことも布基礎のデメリットです。
弱い地盤の上に布基礎の建物を建てた場合、基礎の一部だけが沈んで建物の傾きやゆがみなどを引き起こす恐れがあります。
一方で、もともと強い地盤の土地やすでに地盤改良を行った土地であれば、布基礎でコストを抑えつつしっかりした住宅を建てられるでしょう。
布基礎の床下部分は、地面がむき出しになっていることも少なくありません。
この場合地面の湿気が建物へ伝わりやすくなり、木材の腐食やシロアリ被害のリスクが高まります。
防湿用コンクリートや防湿用フィルムを敷くことでリスクを軽減できますが、ベタ基礎と比べると耐食性やシロアリへの耐性は低めです。
シロアリ対策として、防蟻処理を施したり湿気を逃がすための通気口を設けたりする方法もあります。
ただし通気口を作ると床下に冷気が入りやすくなるため、並行して冷え対策を行うこともポイントです。
布基礎を選んだら後悔することはあるのでしょうか?
答えは、一概には言えません。
布基礎には、コストや強度の面でベタ基礎と比較して一長一短があります。
布基礎を選ぶかどうかは、自分の住宅の目的や予算、土地の状況などによって変わります。
布基礎を選ぶ際には、以下のようなポイントを押さえておくと後悔しないでしょう。
・地盤の強さを調べる
・地震や台風などの自然災害のリスクを考える
・床下の湿気やシロアリ被害の対策をする
・基礎の品質や施工の確認をする
布基礎は、コストや強度の面でベタ基礎と比較して一長一短があります。
自分の住宅の目的や予算、土地の状況などに合わせて、最適な基礎を選ぶことが大切です。
布基礎を選んで後悔しないように、上記のポイントを参考にしてください。