「注文住宅での値引き交渉って、どうすればよいの?」
「営業マンに言いくるめられるのが心配」
「注文住宅の値引き額って言い方次第で変わるの?」
住宅の営業マンに値引きをしてもらう場面になったとき、そんなことが気になるものですよね。
私も家を建てるときは、色々な不安が出てきて悩みました。
理想のマイホームを建てるためには、やっぱり予算はしっかり考えないといけません。
もし、一生モノの高い買い物である注文住宅を、値引き価格で購入できるとしたら、それは願ってもないウレシイことですよね!
そんなあなたに耳よりな情報。
注文住宅は交渉次第で大幅値引きもできるんです。
私もこの方法で、値引きをしてもらいましたし、理想のマイホームを建てることが出来ました!
この記事を読めば、あなたも注文住宅の値引きのコツの全てがわかります。
ところで、あなたは、このようなことを聞かれたことがありませんか?
「注文住宅では、値引きをしないほうが良い」
「値引きを無理強いすれば、住宅の建材の質や工事の手を抜かれて、良い家が建たない」
確かに、一方的に住宅会社側に、大幅値引きをせまるなど「強引で無理な」交渉をしたら、そのようになる可能性もあります。
しかし、ポイントをおさえた上手な言い方や対策をすれば、家の質も落とすことなく、大幅値引きをしてもらうことは思ったより簡単なのです。
しかも、交渉を上手に進めることは、お金のメリットだけではありません。
この記事にあるような方法で交渉していけば、住宅会社と良い関係をきずき、より良いサービスが受けられることも可能です。
ここでは、値引き交渉の具体的な方法について説明しています。
この記事を読んで、注文住宅の値引き交渉についての知識をつけ、予算をムダなく使って、理想のマイホームを手に入れてくださいね。
値引き交渉しやすい営業マン、つまり、店長クラスの責任者ですね。
店長級の責任者に担当になってもらえば、値引き交渉がスムーズに進むんです。
通常値引きの判断は、どのクラスの営業マンでもできますが、通常を超えた大幅値引きを望むのなら、店長の決裁が必要です。
値引き権限が小さい営業マン相手なら、値引きをお願いするごとに、店長との相談のやりとりで日数がかかってしまうんですね。
あなたは夢のマイホームを建てる時、知識や経験豊富な営業マンと経験の浅い営業マン、どちらに任せたいですか?
経験の浅い若手の営業マンでも一生懸命さが魅力的に映ることもありますが、それを差し引いてもベテランのほうにマイホームを任せたい。
そのように思うのは私だけでしょうか?
営業マンは値引き交渉にたずさわるだけでなく、
「家づくりのアドバイスをしてくれる」
「どんな質問、疑問にも納得のいく対応をしてくれる」
「的確な資金計画をしてくれる」
「最後まで面倒を見てくれる」
「施主側に立って、工事監督、施工業者に意見をしてくれる」
「施主の希望を、設計担当者や工事担当者に的確に伝えて調整をはかってくれる」
など、幅広い役目があります。
せっかく大幅値引きに成功したのに、営業マンの経験不足、能力不足で連絡調整ができず質の悪い家になってしまうと全部が無駄になってしまいますよね。
もちろん、営業マンとの相性、誠実な人柄は大事な点ですが、ベテラン営業マンに担当してもらう事は大きなメリットです。
相見積もりとは、複数の会社から見積もりを取ることです。
これは、値引き交渉をするときの外せないポイントで、あなたが考えているプランが、どのくらいの費用になるのかの目安をつかむためです。
そして、相見積もりをするときは、必ず各社、同じ間取りプランや住宅仕様に寄せた見積書をもらうことも重要です。
驚くことに、各社に同じ間取りプランを依頼しても、構造や住宅設備や仕様の関係で、全く一緒のプランは出来上がって来ないものです。
また、作ってもらった見積額をみても1割近く差が開いていることもあるんですよ。
(だから相見積もりをしておくことは、大事なんです)
それでは、相見積もりの流れを確認してみましょう。
※ピックアップする住宅会社は多いほど良いですが、あまり多いと疲れるのでほどほどに。。。
※ポイントは、3社ともの住宅会社が本命と言えるぐらいまでの意識でいること。どの住宅会社に転んでもよいという心の余裕が必要なのです。
※出来る限り同じ条件で競合をしてもらうと有利に進められますよ。
上記の流れを参考にすると、住宅会社との値引き交渉前の準備は完璧です!
上記のデータが示すように新築を建てるにあたって、施主が建築会社を比較検討した数は、2社~5社が圧倒的で半分以上にのぼります。
そして、大幅値引きに成功した施主は、ほとんどのケースで複数社を比較検討している事実もあるのです。
営業マンは値引きに応じないと、「ライバル会社に持っていかれてしまうかも」と不安に思うことから、値引きを検討する確率が高まるからですね。
1社だけでは、交渉の切り札にする基準が何もないし、2社だけでは、もし他の1社が土壇場であきらめてしまったら、ライバルはいないことになります。
なので、筆者の考えは、最低でも3社以上の本命が望ましいと考えているわけです。
ハウスメーカーなど住宅会社にとって、一番怖いのはライバル会社です。
間取りや資金計画もつくった。
ここまで来るだけでも、営業マンがあなたにかけた労力や時間は大きなものです。
見積書も提示して、「あとは契約だけ!」というところで努力もむなしく、ライバル会社にお客様を取られてしまうことは、とても悲しいものですよね。
そのような理由から、大幅値引きを引き出すには、ライバル会社の存在が必須。
逆に、ライバル会社がなければ、わざわざ値引きまでして、会社の利益を減らす必要はないのですから。
ライバル会社を選ぶ基準は、同じ程度の価格帯のメーカーで同じ構法(工法)のメーカーを選択すると良いでしょう。
工務店なら木造軸組工法が多いですが、ハウスメーカーであれば様々な工法がありますので、ライバル会社を見つけやすいでしょう。
もちろん、選択する住宅会社は、あなたが最終的に契約しても良いと感じるぐらいのメーカーにして下さいね。
構法とは、「鉄骨」では鉄骨軸組工法、ユニット工法、パネル工法などがありますし、「木造」では木造軸組工法や2×4工法、2×6工法という構造のことを指します。
同じ構造を持つ注文住宅をライバルにしておかないと、営業マンのモチベーションがアップせず、最終的に競合をあきらめてしまう可能性があるからです。
例えば、「木造メーカーのライバル会社が鉄骨メーカーである場合」と「木造メーカーのライバル会社が木造メーカーである場合」はどちらが値引き交渉にヤル気を見せてくれるでしょうか。
木造には木造の良さがありますし、鉄骨には鉄骨の良さがあります。
値引き交渉の時に、「木造と鉄骨は違う」というスタンスで対応されると、値引きについて不利になることは明白です。
そもそも、木造と鉄骨では戦う土俵が違うので、ライバル会社に負けたとしても「このお客さんは鉄骨好きだったから、負けた」と自分自身の言い訳もたちます。
でも、構法も含めて同じ木造どうしの戦いなら、条件は同じなので、自分自身の「営業マンとしての実力で勝負」ということを強く意識し、値引き交渉に前向きになってくれるというわけです。
価格帯についても同じ考え方です。
大手ハウスメーカーのライバル会社にローコスト住宅を選んでも、営業マンは、「値段が高いのは、それだけの理由がある」と判断しますよね。
そうなると、勝負のポイントを住宅性能やアフターなどのメンテナンスの充実で交渉を進めてきて、満足のいく値引きには応じてもらえなくなります。
このように、的外れな相手をライバル会社に選んでも効果がありませんので、本気で同じ客層を競っているライバル相手を見つけましょう。
下記は、代表的なハウスメーカーのライバル会社の参考表です。
上記の表で同じ枠内に存在する会社がライバル会社となりますが、これにとらわれず、どこか同じ市場で競っている相手を選んでも良いですよ。
例えば、性能、設備がよく似ているもので競合しているメーカー同士など(全館空調、制震装置や免震装置、タイル外壁や光触媒外壁、外観やテイスト)
また、会社の方針やコンセプトがよく似ている住宅会社同士(高級住宅で売っている会社、省エネ住宅で売っている会社)など、どこか似通ったジャンルを持っているライバル会社を選ぶのもアリですよ。
決算期の契約は、「お得になる」という話を聞いたことがありませんか?
「営業マンは、半期または1期ごとに売上ノルマを課されているため、決算前になると、売上を少しでも上げておきたい」
「営業マンのボーナスや昇給・昇進は、決算までの評価が反映されるので、決算時期は無理をしてでも契約が欲しい」
そのように言われているのは有名な話です。
上記も理由の一つとして正しいです。
でも、決算時期に値引きがされやすい大きな理由は、「値引きをするための言い訳が欲しい」というのが住宅営業マンの本音です。
というのも、値引きをするときは上司の決裁が必要で、決算時期のキャンペーンという口実で、担当営業マンが上司と交渉しやすい時期だからです。
決算時期以外でも値引きは行われますが、理由なく、「何でもかんでも値引きます」では、ただの空っぽのセールスアピールとなって、注文住宅の値引きに何の価値も無くなるでしょう。
また、値引きを要求しないお客様も当然いるので、値引きなく契約してもらった今までのお客様にも申し訳が立たないですから。
私たち、お客も決算時期に値引き交渉することで、大幅値引きを引き出しやすい絶好の時期なのです。
そのためには、決算時期をお得な契約につなげるには、余裕のある充分なスケジュールが大切になってきますので、その点注意する必要がありそうです。
下記にハウスメーカーの決算時期の一覧を載せておきますので、参考にして下さい。
これらの決算時期に値引き交渉をするだけで、少なくとも数十万はお安く注文住宅をGETできます。
※「本決算」と「第2四半期決算」は特に値引き率が高いと言われています。
それでは、ここから値引き交渉の具体的な手順とポイントをお伝えしていきます。
値引き交渉のタイミングで重要なことは、すべての住宅会社から、あなたの要望がすべて反映された詳細な見積もりが用意されてからということ。
そして、必ず値引き交渉は、契約する前に行うことです。
値引き交渉前には、あなたの希望する住宅仕様のグレードや設備など、要望がすべて反映された見積りを用意してもらっておくことが必要です。
値引き交渉で、満足のいく値引きを引き出せたとしても、その後「やっぱり、あの設備も欲しかったな」と希望しても、再度値引きに応じてもらう事は難しいのです。
なので、標準仕様からグレードアップしたい設備や性能は全て見積もりに含ませておいたうえで、値引き交渉に望みましょう。
「気になるものは全て見積もりに反映させておく」ぐらいで丁度なのです。
そうすると、値引き交渉が終わった後でも、予算に余裕がなければ、見積もりに反映させている余分な仕様を削って調整することもできるという融通も効きます。
詳細な見積書というのは、部材や仕様の詳細がしっかり載っている具体的な見積書です。
住宅会社から出てきた見積もりが、ザックリとしたあいまいな見積もりであれば、最初から値引き対策のために、あらかじめ見積額をつり上げたものでしょう。
また、取ってつけたようなキャンペーンであったり、特別値引きという見積書の項目は、一見、目を引きますが、「値引きをして頑張っているというアピール」であるということは、有名な話ですよね。
でも、建材の単価や数量、オプション追加の費用が詳細に書かれている見積書は、ごまかしが効きにくいものです。
あいまいな概算見積書の金額を苦労して値引いてもらっても、もともとが根拠のない数字なので、どの部分の費用がカットできたのか分かりません。
また、細かい建材や項目が表示されていないので、大幅値引きを勝ち取っても、「知らないところで建材の質を落とされているのかも知れない」と思うと、不安ですよね。
ほとんどの住宅会社が「概算見積書」という大まかな見積書をもとに契約をせまり、契約後の打ち合わせで、プラン確定となった後に、ようやく最終見積書が作られている文化は悲しいものがあります。
住宅会社側の事情も分からなくもないですが、私たちにとっては、一生を左右する重大な事です。
なので、私たち施主ができることは、出来る限りの細かい項目の載せられた見積書をもらうこと。
最終確定プラン後の最終見積書までとは行かないまでも、概算見積書は出来るだけ詳細に書かれたものが望まれるわけです。
概算見積書は細かく作ってくれる住宅会社もありますし、そうでないところもあります。
そこで、下記に「残念な概算見積書」と「合格点の概算見積書」の例を載せます。
残念な見積もりを見てみると、各項目にどれぐらいの費用が見積もられているのかがザックリしすぎて分かりませんよね。
一番気になる、住宅仕様も、標準のものか、オプションとしての住宅仕様がどうかも分かりませんし、個々の値段も不明です。
値引き交渉に入る前に、もっと詳しい項目と値段をのせた見積書を求めなければ、失敗しかありません。
合格点の見積もりは、オプション追加の項目が明確で、個々の値段も書かれているものです。
何にいくらの費用がかかっているのかも分かりやすいので、最低限、このくらいの見積もりは求めたいところです。
ライバル会社との相見積もりでも、各項目の費用が比較しやすいので良いですね。
どの項目が他社よりも、高いのか低いのかを指摘することで、値引き交渉が有利に進められることは言うまでもありません。
もし、残念な見積もりが出てくるようなら、別に「内訳明細書」を提出してもらうことをオススメします。
内訳明細書というのは下の図のようなものです。
詳細な見積もりの提出を渋るようなら、住宅会社側の納得のいく答えを得たいものです。
本来は、見積書の中身を明確にしてから契約するものですから。
ここでは、出来る限りの細かい項目の載っている見積もりを、もらっておいたほうが値引き交渉を有利に進められるということを覚えておきましょう。
値引き交渉が可能なのは、仮契約を行うまでです。
住宅会社は、ある程度の外観、住宅の形状、間取プランが確定すれば仮契約を求めてきます。
その後、床材、ドア、壁クロスなど内装の仕様の打ち合わせで見積額が確定した時点で、仮契約からの変更契約をさせられ、本契約完了となるのです。
注意したいのは、仮契約したあとは、必ずその住宅会社と本契約しなければならないということです。
なので、実質、仮契約がその住宅会社を選んだという約束であり、本契約と同じ効果を持つということです。
そのため、仮契約後は一切値引きはできないので、その後、不服な点があっても後戻りできません。
よくある失敗パターンとして、仮契約後に間取りを変更したり、高額なオプションを追加したり、建坪を増やしたりすることです。
そうなると、値引きのない定価の費用が請求されることになりますので、見積額が大幅にアップします。
必ず、仮契約するまでに、あなたの希望する住宅プランを確定しておき、値引き交渉にのぞむ必要があるということを覚えておきましょう。
値引き交渉するタイミングは、契約直前が安心です。
大幅値引きを要求すれば、住宅の建材の質や仕様が落とされるという話は聞いたことはありませんか。
契約直前に値引き交渉を推奨する理由は、大幅値引きをされた分、どこかで帳尻合わせを行おうとコストカットを図られたり、手抜き工事をされることを避けるためです。
契約直前には、詳細な見積もり項目と数量、金額が明瞭になっているので、建材の質や住宅仕様を下げられるという操作はしにくいものです。
また、契約直前には下請けの施工業者がどこかも、だいたい目星がつけられるので、ランクの低い業者を避けることもできます。
例えば、腕の良い施工業者に担当してもらうことを、契約の条件に付けてもらえば良いだけですよね。
これが、契約から遠い期間に値引き交渉をしてしまうと、そもそも施工業者の話さえあがらないので、値引きの帳尻合わせで、ランクの低い施工業者に低賃金で働かせることになります。
そうなると、質の低い住宅になってしまうことは明らかです。
デメリットはまだあります。
契約までの期間に余裕のある日から値引き交渉をせまると、その時点では住宅会社側もある程度、応じてくれるかもしれませんが、それ以降の値引き交渉に構えの姿勢を取られて、何らかの対策を講じられる恐れもあります。
施主である私たちも、その時期はプランが確定していない場合が多いため、早めの段階から値引きをしてもらっても、値引きしてもらった設備や仕様を取りやめることになれば無意味となります。
逆に、大幅値引きをしてもらった設備や仕様が、後になって不必要だと感じても、「せっかく値引きしてもらった設備だから、もったいないから付けておこう」という意識もかえって損失をうみます。
一番大きな値引きが狙えるタイミングは、契約直前の交渉のとき。
営業マンも、ライバル会社へ逃げられて、あなたにかけた今までの労力と時間、経費が無駄になってしまう結末を最も恐れていますので、このタイミングが一番、値引きを誘うことができます。
契約直前に1点集中でいっきに交渉をしたほうが、大幅値引きを引き出しやすいのです。
値引き交渉をするときは、交渉相手の住宅会社で建てたいという強い気持ちがなければ、大幅値引きは難しいでしょう。
営業マンの気持ちを考えてみても、自社を他メーカーの交渉のための当て馬にしか思っていないお客様のために、値引きをしたいとも思いません。
軽い気持ちで対応し、建てる気がないと思われてしまったら、その時点で、このお客様のために労力も時間も使いたくないということになってしまいます。
当然ですが、自社の住宅を、本気で気に入って、本気で建てたいという気持ちが伝わって来なければ、営業マンは値引き交渉に乗って来ないと考えておくほうが良いでしょう。
2~3社の住宅会社を競合させるという方法で、本命の住宅会社とお安く契約するという流れは、一番有効です。
ですが、本命以外の候補の住宅会社も含め、値引き交渉に挑むときは、交渉相手の住宅を「何としても手に入れたい」という気構えをもって接しましょう。
例えば、予算が足りないからと言って、住宅会社に値引きばかりを迫るのではなく、可能な限り、「どこか不要な設備はないか」、「仕様を落として見積額を落とせるところはないか」と探ってみることも必要です。
よくよく考えてみると、不要な部分をコストカット出来るところは多いはず。
営業マンも、あなたの仕様を落としてまで我慢する姿や努力を見て、「自社の住宅で建てるために頑張ってくれている」という気構えから、「何とかしてあげたい」という気持ちにさせるのです。
そういう意味で、あらかじめ見積もりには、最終的な予算調整のため、少しでも気になる設備や仕様は、余分だと感じても含めておいたほうが良いというわけです。
値引き交渉のなかで、営業マンから「今月中の契約で、いまの見積額からあと200万円サービスできますがいかがでしょうか?」という誘いは当たり前のようにありますよね。
でも、営業マンからこのような提案があるということは、「住宅会社側に、まだまだ十分の利益が確保されている状態」といって間違いありません。
赤字状態で契約をするなんて絶対しないことですし、たとえ利益がほんの少しあったとしても住宅会社側の労力を考えれば契約はしないでしょう。
なので、値引き後の価格は、あなたから提案することが、とても大切です。
例えば、営業マンから価格の提案があった場合、そこから「あと、○○万円値引きしてもらえたら契約する」とあなたから伝えるべきです。
私の経験上、営業マンが青ざめるくらいの価格の提示で、ちょうど良いくらいです。
値引き交渉は、契約直前の時期にするので、住宅会社側もここまで時間と労力をついやしてきたお客様を、すんなり手放すことはできない状況です。
それを考えると営業マンもあなたの提案を無視するわけにもいかないでしょう。
もし、あなたの提案した価格が、営業マンの想像をこえる大きなものだったとしても、その価格を基準として交渉が進められるので、かなり有利に値引き交渉ができるというわけです。
私も、「この見積額から、あと200万円ほどのお値引きがあれば契約を考えても良い」と伝えたところ、いったん上司との相談で持ち帰りされましたが、結果として要望を受け入れてもらえました。
そこで、すんなり担当営業マンに、こちらの提案が即決で受け入れられるものなら、まだまだ余裕があるという意味なので、さらに値引きを要望しても差し支えないでしょう。
注意したいことは、こちらから、大幅な値引き額を要望する場合は、ただ単に「値引きしてほしい」というのではなく、理由づけをすることです。
例えば、「ほかに気になっている住宅会社の見積もりは、ずいぶんと努力してもらっている」など、ライバルの住宅会社を引き合いに出したり、「予算の関係で、むずかしい。私はせっかく御社の住宅を気に入っているのに、この額では家族に反対される」など、もっともな理由づけをして、具体的な値引き額を提案してみましょう。
ちなみに私は、ライバル会社を引き合いに出すことのほか、「妻を納得させるほどの値引きをしてもらえると、御社で契約できるので頑張ってほしい」という理由づけをしたところ大成功でした。
「ある程度の値引き交渉をがんばったけれど、満足のいく値下げは、もう無理かも」
このように感じたら、他メーカーの検討に移ることもありますが、それでも、「このメーカーでどうしても建てたい!」とねがう場合もありますよね。
それなら、オプション仕様のグレードアップを要望してみてはいかがでしょうか。
オプションとは、標準仕様をグレードアップさせるために設備や仕様を追加させるもの。
例えば、大きなものは、サイディング外壁を光触媒のタイル外壁に変更したり、制震装置、全館空調を追加したりと、そのメーカーの特徴をあらわす独自の住宅仕様にグレードアップ変更することですね。
また、手動のシャッターを電動に変更してもらったり、スレート瓦を陶器瓦に変更するという、いわゆる住宅をパワーアップさせる仕様の変更をいいます。
特に、オプション追加に含まれる住宅会社独自の設備は、その会社のウリにしているものなので、住宅会社側からしても付けてもらいたい思いもあるし、量産体制をとっているので安く仕入れられることもあったりで、サービスの対象になりやすいのです。
契約前の最後の念押しで、このオプション設備をサービスしてもらえば契約するとお願いすれば、あっさり希望をかなえてもらえるケースは多いものです。
独自のオプション設備は高額なものが多いので、値引きに代わる大きな収穫といってよいでしょう。
また、独自設備のオプションサービスがむずかしい場合は、代わりに床材や内装クロスの材質、ドアの質をグレードアップしてもらうことも、考えてみましょう。
モデルハウスを訪れた場合、標準仕様の建具や内装クロスが使われていることは少なく、グレードをあげたものばかりです。
私は、そこのモデルハウスで使用されていた建具が気に入り、契約前に追加でその仕様にグレードアップしてもらった経験もあります。
大きな費用のかかる設備のサービスが無理だと断られたら、あきらめず建具など小さなオプション追加をもう一度、希望すれば通ることも普通にあります。
営業マンも一度、お客様からの要望を断っている手前、もう一度お願いすれば、「小さなオプション追加のサービスぐらいならいいか」と、比較的認めてもらいやすいのです。
契約前の最終段階で、営業マンから最後の最後で見積額の提示があったときには、端数切りの値引きのタイミングとなります。
端数切りとは
【10万単位の端数切りの場合】
2,950万円⇒2,900万円
3,690万円⇒3,600万円
【1万単位の端数切りの場合】
2,955万円⇒2,950万円
3,698万円⇒3,690万円
となるように10万の位や1万の位を値引きしてもらうというものですね。
住宅会社との値引き交渉の中で、納得のいく見積額でないと感じているときは、上記のように10万の位の値引きを要望してもよいでしょう。
ただ、住宅会社側の最終見積もりが、限度のギリギリで譲歩してもらった金額であって、あなたにとっても「今まで、十分値引きしてもらった」と満足感があるなら、ムリをいわずに1万単位の端数切りで留めておく配慮も必要です。
特に1万単位の端数切りの値引きは、認めてもらいやすい方法です。
「端数を切ってもらえば契約する」というスタンスをとれば、営業マンも「ここまで来たのだから、今さら引けない」という思いがあるからです。
ここでは、私が大幅な値引き交渉に成功した体験談を紹介します。
私のケースだけでなく、値引き交渉に成功した多くの方々の勝ちパターンは、大抵下記のようになっているので参考になると思います。
参考例の後に言い方の具体例も載せておきますね。
営業マンのアクション:「期限内なら○○万円の値引きができる」と営業マンから契約をせまられる
私のアクション:即決せず一旦持ち帰る
~翌日~
私のアクション:検討の結果、その額では契約が難しいと伝える
営業マンのアクション:いくらなら契約してもらえるかと問われる
私のアクション:相見積もり結果をふまえた基準額を参考に、多少思い切った希望価格を提示する
営業マンのアクション:困惑した表情
私のアクション:他社で迷っている住宅会社があることを伝える
営業マンのアクション:どこの住宅会社かを問われる
私のアクション:同じ市場を争っているライバル会社を提示
~営業マンが上司を登場させる~
上司のアクション:値引きの検討を伝えられる
営業マン、上司のアクション:一旦持ち帰り、決裁責任者と相談
~翌日~
営業マンのアクション:私の希望どおりの値引き額を提示される
私のアクション:家族会議をするため一旦持ち帰り、明日連絡することを伝える。
~翌日~
私のアクション:あと○○万円の値引きがあれば契約すると約束する。
営業マンのアクション:最後の値引きと念押しされ、上司と検討される。
今後の値引きは、もう出来ないと伝えられる。
営業マンのアクション:一旦持ち帰りで上司と相談
~即日~
営業マンのアクション:最終の追加の値引きを取り付けたとの連絡あり。
私のアクション:最後の一押しで、最終金額の数字を、万単位で丸めてもらうことを希望
営業マンのアクション:それで契約してもらえるかを確認
私のアクション:了承
~契約へ~
担当営業:「今月末までに契約頂けたら、あと150万円はお値引きできますが、いかがでしょう。」
私:「即決は出来ないので、一旦持ち帰らせてください。明日お返事します。」
~翌日~
私:「御社の注文住宅は魅力的で、家族共々大変、気に入っているのですが、予算の問題でこの額では厳しいです。」
担当営業:「ご契約頂くためには、どのぐらいの額であれば考えてもらえますでしょうか。」
私:「現在の見積額が3,260万円なので3,000万円程度に近づけてもらいたいです。」
担当営業:・・・
私:「実は他社で迷っているところがありまして。。。」
担当営業:「それはどこのメーカーですか。」
私:「○○ハウス」です。
担当営業:「あぁ、○○ハウスさんですか。。。差し支えなければ、○○ハウスさんの見積額はいくらなのですか。」
私:「3,000万円切るか切らないかです。」
担当営業:「分かりました。少々お待ちください。」
~上司登場~
上司:「いつも担当の○○がお世話になっております。」
(前置き省略)
「弊社を気に入っていただいているようでして、ありがとうございます。」
「私共も、○○様の家づくりのお手伝いを、是非ともさせていただきたいと考えておりますので、一旦、お値引きについては検討させて頂いた上、早急にお返事いたします。」
~翌日~
担当営業:「○○様!希望どおりの、お値引きを取り付けて参りました。見積額は3,008万円まで下げることが出来ました。」
私:「ありがとうございます。大きな買い物なので、私たちも一旦持ち帰り、家族会議をしたうえで、明日お電話させていただきます。」
~翌日~
私:「昨日、家族会議のほか、迷っている他メーカーともお話したのです。
そこで、あと50万円の値引きをして頂けるなら、御社と契約しても良いという結論になりました。
でも、やっぱり50万円なんて金額、難しいですよね。
他メーカーからも値引きの提示があったものですから揺らいでしまって。。。無理なら御社をあきらめます」
担当営業:「いやいや、ちょっと待ってください。少し時間をください。」
「一旦電話をおかせてもらって、上司と相談の上、すぐにご連絡をいたしますので」
~即日~
担当営業:「○○様、お待たせしました。会社となんとか話し合い、追加で50万円の値引きが出来るようになりました。」
「ですが、これ以上は、さすがに難しいでしょう。我々も、これ以上の値引きは、あきらめざるを得ないです。」
私:「頑張っていただいてありがとうございます。
他メーカーも最大限の値引きをしてもらって協力をいただいており、断るのも胸が痛いです。
正直、他メーカーは御社よりも、ほんの気持ち程度お安いのです。
大変恐縮なのですが、御社の最終の金額は2,958万円のところ、キリよく数字を丸めてもらって2,950万円でお願いしたいです。」
担当営業:「それで、契約をお約束いただけるなら最後の最後、頑張らせていただきます。」
私:「お願い致します」
契約へ
少々、気をつかう部分も出てきますが、大幅値引きを引き出す鉄板の言い方のパターンになるので、参考にして下さい。
契約後の値引き交渉はできません。
でも、工事が着工された現場でも、かんたんな設備や建材をサービスとして付けてもらうことはできますよ。
私の場合、工事監督が話しやすい人で、いろいろと相談している流れで、「リビングのダウンライト照明」や「コンセント数個」と「断熱材の厚みのボリュームアップ」をサービスしてもらえました。
これだけで、数万円の価値のあるものです。
断熱材の厚みのボリュームアップとは、西日が強く当たる宅内の部屋で、「断熱材の厚みは十分か」と質問したところ「これで十分ですが、心配なら厚みを増やしましょう」と言っていただいたものです。
このように、私は現場監督にサービスしてもらえましたが、友人は大工さんと話し込んだ自然な流れで、作り付けの棚を付けてもらったりしていましたよ。
私が直接、現場監督に聞いたり、その他の関係者から聞いて調べたところ、現場は、「住宅会社と施主が具体的に、いくらの値引きをしてもらっているのか」ということは、把握していないというものでした。
ということは、「この施主は、十分な値引きを受けているのだから、これ以上のサービスは不要だ」と現場に認識されていないということになるわけです。
また、このサービスは現場監督や大工さんのさじ加減なので、どこにも値引きとしての金額はあがってこないものです。
※「現場監督や大工さん」と「施主」のあいだのみが知る約束というわけですね。
直接、現場監督や大工さんに相談や質問をしているだけで、サービスをつけてもらえる方法もあるんだということを知っておくと、少し得した気分になりますよね。
ここから考えると、大切なことは工事が始まった後も、完全に現場監督や大工さん任せにせず、工事現場を何度も訪れることです。
棟上げ以降、あまり工事現場を訪れることがなくなったという施主もおられますが、現場に足を何度も運ぶと、良いことがあります。
サービスしてもらえるという事だけでなく、自分の家の建築過程がみえるので愛着もでてきます。
なにより、現場に足を運ばなければ見えてこないこと(不良部分なども含め)や、気づくことがいっぱい出てくるので、すぐに現場監督や大工さんに質問を投げかけることもできますので。
その過程で、サービスもたくさんしてもらえるので、すこし労力はいりますが、良いことばかりだと私の体験から感じます。
あなたもムリのない範囲で、現場に訪れてみれば、きっと良いことがありますよ。
「大幅値引きをお願いすれば、住宅の品質が落ちる」
と、いう話はよく言われていることですよね。
でも、結論から言えば、この考えは特にハウスメーカーの場合では当てはまらないことです。
当てはまらないというより、大きく影響しないといったほうが正しいかもしれません。
その理由と対策をここで紹介します。
下記に一つずつ説明していきます。
ハウスメーカーのほとんどは、注文住宅と言っているものの、基本の住宅仕様がある程度、決められています。
つまり、お客さんの要望によって、一から住宅を作るのではなく、ある程度、構造、設備、内装の質が決められた規格住宅にすることにより、工場で部材を大量生産させるシステムづくりを可能としているからです。
また、決まった部材を大量に仕入れることで、建築コストを抑えて利益を得ている性質上、こちらが指定しない限り、例外的な部材を仕入れることはしないのです。
なので、「このお客さんは、大幅値引きをした分、どこかで住宅建材の質を落として帳尻合わせをしよう」という考えにはなりません。
いつも仕入れている建材なら低コストで仕入れができるのに、質を落とした建材を仕入れるために、あえて仕入れコストの高い手段を選ぶことは本末転倒となってしまいます。
そういうことから、ハウスメーカーにおいては、住宅の質を落として、値引き分の損益の穴埋めをするということは、考えにくいのです。
しかし、建材がパッケージ化されていない一般工務店の場合は、多少の注意は必要かもしれません。
注文住宅の見積書には、あらかじめ値引かれる分が上乗せされています。
これは、最初から値引いた金額を見せておくより、定価の値段を表示しておいて、あとから値引きをすることで、お得感が増すというマーケティングの考えからですね。
また、注文住宅については特に、値引きありきの業界なので、値引き交渉で損益を出さないように見積額の20%から30%(額にして数百万円以上)はあらかじめ上乗せされているということは有名な話です。
大きな金額を値引きされれば、結果として同じ金額だったとしても、誰でも嬉しいはずですし、住宅会社にとっても赤字で会社運営に支障をきたすわけにもいきません。
なので、見積額に、あらかじめ上乗せするという体質は仕方がないこととして、私たちは家づくりを進めていく他ありません。
ここで、大事なことは、私たちが思っている以上に、見積額に上乗せされているという事です。
中には、ライバルの住宅会社と競合させた結果、1000万円もの値引きが行われたという話もあります。
このような、業界体質のなかで、「値引きを持ちかけず、自然な成り行きに任せる」、もしくは、「気を使わない程度の値引きで留めておく」ことは、いかにデメリットなのかという事を察することができるのではないでしょうか。
値引き交渉の結果、「最大限に値引きしてもらったので、住宅会社側の取り分が少なくなってしまって心配」と感じる人もおられますが、実は、そのようなことはなく、住宅会社の利益はしっかり確保されているものです。
会社側の利益にならない契約は、住宅会社も決してしないのですから、相手の心配はせず、自身の値引き交渉に注力したほうが良いのです。
大手ハウスメーカーはもちろん、店舗数の多い住宅会社は、一般工務店と比べて着工数が多いことが特徴です。
着工数が多いということは、利益分の調整がしやすいということにもなります。
例えば、このお客さんには大きい値引きをしたから、利益分が低いけれど、あちらのお客さんはあまり値引きをせずに済んだので、予定より利益分が高かった。
このような場合、値引き分の損益を、値引きをせずに済んだお客さんの利益で相殺することができるのです。
値引きさせることを良しとしないお客さんが、値引き分を補ってくれているお陰で、少し無理をして大幅値引きをしても全く問題なし。
つまり、住宅会社の利益トータルで考えると、プラスになるように運営しているので、値引きをしてもらったことにより、特別なデメリットを受けるというのは考えすぎなのです。
「住宅業界はクレーム産業である」という言葉、聞いたことはありませんか?
住宅業界は特に、消費者センターなどへの苦情、報告や照会、問い合わせが多いことから、このように言われているわけですが、これは、
「住宅は、契約後に建築されるもので、良し悪しは実物を見てから判断される」ということが大きな要因でしょう。
また、「マイホームに特別な思いを持っている」方が多いうえに「一生に一度の大きな買い物」なので、お客さんはよりシビアに建築物に期待を寄せています。
家を買うとなると、普段クレームを言わない人でも、心配になって、小さいことにも注文も付けたくなるし、色々と神経が敏感になりますよね。
そういう事から、住宅業界にたずさわる方々は、お客さんの期待に応えられないと、常にクレームの嵐が待っているという認識を持っているのです。
この状況で、「このお客さんは、大幅値引きにより自社の利益が低くなった。ヤル気がなくなったので、手を抜いてやろう」と考えるでしょうか。
手を抜くことは、たちまち工事に反映されて、家づくりに敏感になっているお客さんに感じ取られるし、大きなクレームとなって返ってきます。
また、最近は大きな値引きをしてもらったら、「住宅の品質や工事がおろそかになる可能性が高まる」という認識が広まってきているので、工事中の現場に監視目的で足を運ぶお客さんも多いと聞きます。
そのような中で、何か不具合が発見されたら、即座にお客さんから、やり直しを求められ返って面倒なことになります。
工事の見えない部分で、手抜きをしてしまえば分からないと考える工事業者もいるかと思いますが、そのようなリスクを取ってまで、手抜きをしたいと思うでしょうか。
運よく完成後まで逃げおおせたとしても、入居後、その不具合がどのような形で表に出てくるのか分かりません。
最悪、損害賠償を求められるケースもありますし、工事施工業者にとってもハウスメーカーなど住宅会社からの信頼を失い、良いことは一つもありません。
利益が減ったからと言って、手を抜くことは、「仕事に対する自分のプライドを捨てる」ことにもなりますし、「あとあとの対処しきれないトラブル」を考えれば、大きな代償となる。
そんなことぐらいは、住宅会社も工事施工業者も、よくよく理解しているはずです。
もちろん、私たちお客も住宅会社に対して、不合理な要求を求めたり、過度なサービスなど求めたりはせず、常識的な対応をしなければなりませんが、少し、口うるさいお客さんと思われていたほうが、上手くいくと言う専門家も少なくはありません。
むしろ、全く値引きを求めない、何も注文を付けない、全て住宅会社にお任せといった印象は、返って現場に緊張感がなくなり、仕事がおおざっぱになったり、気が緩んでミスが増えたりするものです。
以上の理由から、大幅値引きをしてもらったとしても、住宅品質には、さほどの影響を与えないと考えるわけです。
ただ、全く影響がないかといわれると、可能性はゼロではないので、次のような対策をしておくと安心です。
大ざっぱな見積もりをもとに契約をしてはいけません。
なぜなら見積書というのは住宅会社ごとに記されている項目が異なっているからです。
例えば、ある住宅会社では「本体工事費」の中に「オプション追加工事」を含んでいますが、他の住宅会社では、本体工事費の項目ではなく「標準仕様外工事費」の項目を設けて、そこにオプション追加工事費を含めていたりと。。。
要するに、見積書の項目が住宅会社ごとに統一されていないので、どこの項目に、どのような設備や仕様の費用が計上されているのか読み取りにくいのです。
また、本体工事一式、付帯工事一式など「一式」という文字は、どこまでの範囲が費用に計上されているのか不明ですし、あとあと、認識の違いでトラブルの元となります。
もし、大幅値引きによる損失を補う目的で、利益調整を行おうと考える住宅会社があるなら、この点は特に注意が必要です。
あやふやな内容の見積書は、建材や設備も「一式」という記載で明確でないので、内容の変更や数量を減らされていても分かりませんし、「その他付帯工事」という項目が上がっていても、当初からその中に、どこまでの費用が含まれているのか分かりません。
後から住宅会社側が、この費用はこの項目に含まれていないと言うのであれば、追加費用が発生してしまいます。
このようなことを防ぐためには、契約前に、必ず、どの項目にどのような費用が計上されているのかの明確な見積書をもらっておくことが重要です。
詳細な見積書をもらっておけば、万が一、利益調整で、住宅部材の質や数量を減らされたとしても、減らされた箇所が明確に分かります。
そもそも、ごまかしようのない明確な見積書を渡してくれる住宅会社なら、利益調整をすることはありません。
値引きの損益分を、利益調整でカバーしようと考える住宅会社を選ぶべきでないですが、もし、内容があやふやな見積書を渡されたら、出し直しを求めるようにしましょう。
ほとんどを工場生産でおこなう住宅会社であれば、比較的安心ですが、現場で大部分を施工する住宅会社の場合は注意が必要です。
例えば、フランチャイズや代理店方式をとっている住宅会社は、現場での施工を地元の大工さん、工務店に任せているところがほとんどです。
そうなると、必然的に施工技術の差というものが生まれますし、技術力の差を補うために低賃金で請け負う地元業者もでてきます。
住宅会社の低利益のしわ寄せを、下請け業者に負わせるという話は有名です。
つまり、必要以上に値引いてしまった損益分を、相殺するため下請け業者に安い費用で施工させるというものです。
大幅値引きをしてもらうと、低賃金で依頼された技術力の低い施工業者に担当されてしまう心配もでてくるわけです。
安かろう悪かろうでは、値引きをしてもらった意味がないので、ここの対策を考えなければいけません。
そこで、契約の条件として優秀な業者に施工してもらうことお願いしてみてはいかがでしょうか。
施工業者の決定は、契約後に行われることが多いですが、契約をしてしまった後では、担当する施工業者は住宅会社側の都合で勝手に選定されてしまいます。
しかし、契約前に、こちらから優秀な施工業者をお願いしておけば、その不安材料は取り除けます。
もちろん、優秀な施工業者は他からの依頼も多く、忙しくされていることが考えられるため、こちらのスケジュールを調整する必要がでてくる場合も想定されます。
ですが、直接、建築施工にたずさわる業者によって、家の良し悪しは大きく変わってくるので、抑えておきたいポイントなのです。
「口うるさい客」と「あまり口を出さない客」どちらが良いのでしょうか。
これは、永遠のテーマかも知れませんが、私は口うるさい客の方が、良い家が建つと考えています。
というのも、適度な緊張感を与えることが出来るからです。
緊張感がない現場はミスも増え、やっつけ仕事になり、結果として欠陥住宅を生むことになります。
報酬がたくさんもらえる現場なら、自然に任せていれば、気持ちよく建築工事をしてもらえる事もありますが、大幅値引きをして利益が少なくなった時は、そうはいきません。
値引きの損益分は、施工業者にしわ寄せが行きモチベーションの低下につながるといわれています。
信念を持っている業者であっても、そのような時は、やはり人間なので無意識にでも気が緩み、結果として手抜きな工事になってしまう恐れがあるのです。
しかし、口うるさい客の建築現場だと、どうでしょうか。
手を抜いてしまう事は、必ずどこかでクレームがおき、場合によってはやり直しや損害賠償を求められ、返って面倒なことになることが想定されます。
どのような状況でも、建築業者としての信念を持って、丁寧に施工してくれる会社もあるかも知れませんが、正直なところ、そのような会社に担当してもらえる確率は少ないものです。
実際、大幅値引きをしてもらったからといって、手抜き工事をされるとは限りませんが、口うるさい客になることで、欠陥住宅を防ぐことができた事例は多いものです。
もちろん、無理な要求などをしたり、常識外れのクレームは厳禁ですが、礼儀や節度を守った口うるさい客となることは、結果として我が家を守ることになります。