注文住宅を建てる際に、ハウスメーカーとの契約直前になって、やっぱり別のハウスメーカーにしようと思うこともあるでしょう。
そんなとき、どのように断ればいいのか悩む人も多いのではないでしょうか。
ここでは、ハウスメーカーとの契約直前に断る方法について、ポイントや注意点、スムーズな断り方のコツなどを解説します。
契約を直前に断る際は、通常時に断るときと同様、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
ハウスメーカーは、あなたの家づくりに真摯に向き合ってきたはずです。そのため、断るときはより丁寧に、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
「諸般の事情」などの曖昧な理由ではなく、具体的な理由を伝えることで、ハウスメーカーも納得しやすくなります。
今後の連絡は不要であることを明確に伝えることで、ハウスメーカーもスムーズに引き下がることができます。
スムーズに断るためには、以下のコツを参考にしましょう。
電話で断ると、相手の反応に気を遣ってしまい、うまく断りにくいことがあります。そのため、メールや手紙で断るのがおすすめです。
最初に結論から伝えることで、相手の時間を無駄にせずに断ることができます。
曖昧な理由ではなく、具体的な理由を伝えることで、ハウスメーカーも納得しやすくなります。
ただし、理由を述べすぎると、逆に相手を不快にさせてしまう可能性があるため、注意が必要です。
もし、具体的な理由を述べたくない場合は、「慎重に検討を重ねた結果」とだけ伝え、相手に想像を委ねるのも一つの方法です。
最後は、これまでの対応に感謝の気持ちを伝えましょう。
件名:契約の件
〇〇株式会社 〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇(お客様の名前)と申します。
このたびは、ハウスメーカー選びにあたり、〇〇株式会社様よりご提案をいただき、誠にありがとうございました。
慎重に検討を重ねた結果、今回は別のハウスメーカー様と契約させていただくことになりました。
〇〇株式会社様からは、これまで親身にご対応いただき、大変感謝しております。
今後の連絡は不要ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。
今後とも、ますますのご発展をお祈り申し上げます。
敬具
〇〇(お客様の名前)
このメール文のポイントは、以下のとおりです。
件名は「契約の件」と明確にすることで、開封してもらいやすくなります。
冒頭は、丁寧な挨拶と感謝の気持ちを伝えます。
本文では、断る理由を簡潔に伝えます。
最後に、感謝の気持ちを再度伝えます。
「諸般の事情」と曖昧な表現を避け、「別のハウスメーカー様と契約させていただくことになりました」と明確に伝えることで、相手に不快な気持ちを与えないようにしています。
また、感謝の気持ちを繰り返し伝えることで、相手への配慮の気持ちをアピールしています。
最後のほうで、「今後の連絡は不要ですので、何卒よろしくお願い申し上げます」と、今後の連絡は不要であることを明確に伝えることで、相手に余計な期待を持たせないようにしています。
このメール文を送ることで、ハウスメーカーの営業担当者も、お客様が真剣に検討した結果、契約を断ったことを理解し、不快な気持ちになることは少ないでしょう。
また、断りの際は、相手が不快な思いをしないように、以下のような断り方は避けたほうがよいです。
・相手を批判するような言葉を使う
・他のハウスメーカーを持ち上げる
・曖昧な表現で断る
これらの断り方は、相手に不快感を与え、今後の付き合いに悪影響を及ぼす可能性があります。
このメール文を参考に、ご自身の状況に合わせてアレンジしてみてください。
また、電話にてお断りしたいと考えている場合は以下のやりとりを参考にすると良いでしょう。
Bさん(施主):
「お世話になっております。Bと申します。実は、大変申し上げにくいですが、契約をお断りさせていただきたいと考えております。」
Aさん(ハウスメーカー担当者):
「申し訳ございません。突然のご連絡で驚きました。何かご不満がございましたでしょうか?」
Bさん(施主):
「いえ、決してそうではありません。担当者様のご対応は大変満足しておりました。しかし、他社と比較した結果、よりご希望に沿ったプランを提案していただいたため、そちらに決めさせていただくことになりました」
Aさん(ハウスメーカー担当者):
かしこまりました。大変残念です。当社で契約には至りませんでしたが、B様がご希望のプランを見つけられて良かったです。今後とも機会を頂いた折には、より良いご提案ができるよう、精進してまいります)
Bさん(施主):
契約をお断りするのは、とても気が引けましたが、担当者様には丁寧にご対応いただき、感謝しております。また、今後とも、マイホームの建築に向けて、検討を重ねていきたいと思います。
Aさん(ハウスメーカー担当者):
「かしこまりました。今後も何かお手伝いできることがあれば、遠慮なくご連絡下さい。それでは、今後ともよろしくお願いいたします」
Bさん(施主):
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
(電話を切る)
この会話例では、以下のような点に配慮しています。
・意思を簡潔に伝える
・感謝の気持ちを伝える
・具体的な理由を伝える
また、契約を断る理由は、ハウスメーカー側に後悔が残らないよう、具体的に伝えることが大切です。
例えば、
・予算が合わない
・希望する間取りや設備が入らない
・親戚にハウスメーカー関係者がいてお世話になる
などが挙げられます。
なお、契約前に断る場合は、特に手続きは必要ありません。
口頭で断りの旨を伝えるだけで、契約は解除されます。
しかし、電話でのお断りはハウスメーカー担当者も具体例のとおり、簡単に引き下がってくれない可能性があります。
ハウスメーカー担当者の反応を見ながらの対応で気を遣い、うまく断れないこともあるので、メールや手紙でのお断りをおすすめします。
断るタイミングは、できるだけ早めにするのがおすすめです。
契約直前に断ると、ハウスメーカーも労力が増えて、対応に手間がかかるため、嫌な印象を与えてしまう可能性があります。
具体的な断るタイミングとしては、以下のようなものが挙げられます。
見積もり後に断る場合は、他のハウスメーカーの見積もりと比較して、比較検討の結果、別のハウスメーカーに決めたという理由を伝えるとよいでしょう。
契約前に断る場合は、まだ契約書を交わしていないため、口頭で断るだけで完了です。
ただし、後からトラブルにならないように、断ったことを忘れずに記録しておきましょう。
契約直前に断ることは、なるべく避けたいですが、通常時以上に誠意をもって丁寧に対応することは必須となるでしょう。
あなたの今後の人生に関わる大切な選択なので、慎重に検討した結果として契約直前にお世話になってきたハウスメーカーをお断りすることになってもやむを得ません。
必要以上に悪びれることは禁物です。
本来、契約前なら、お断りすることは自由なのです。
ただ、これまでお世話になってきたことを考えて、誠意をもって丁寧に対応すれば良いだけです。
ハウスメーカーとの契約直前に断るときは、丁寧に、明確な理由を伝えることが大切です。
また、断るタイミングは、できるだけ早めにするのがおすすめです。