目次
住宅展示場に行くと、まず気になることが営業マンとの接し方。
営業マンはセールスのプロなので、しつこく契約を迫られたりしないかと不安になりますよね。
確かに一昔前の住宅営業マンは強引な人も多かったですし、アポなしで自宅まで押しかけてくるような人もいたようです。
でも、最近はどこのハウスメーカーの営業マンも、とても印象が良いですし、誠実な人も多いですよ。
「自宅までは来ないでください」
「電話はNGにして下さい」
「メールのみのやり取りでお願いします」
とあらかじめ伝えておけば、厳守してくれる営業マンも多いです。
昔は、新築がバンバン売れていく時代だったけれど、近年は景気の問題もあったりで新築を建てたい人が減少している様。
また、「100年住宅」という言葉が流行ったように住宅が長寿命化していたり、空家活用という考え方が出てきたのでリフォームする人が増えてきたんです。
なので、今までのような営業方法では新築が売れていかない。
そういうことから、最近の営業マンは今まで以上に、腰が低くてお客さんに寄り添うようになってきたのかなと思うんですね。
だから、営業マンの接し方にしても、何も身構える必要もなく、気軽に住宅のことを素直に相談すれば良いわけです。
営業マンは、住宅に関しては、幅広い知識と経験をもっているプロです。
そのような心強い人の、知識と知恵を活用しない手はないでしょう。
どのような初歩的で当たり前だと思われることでも、気になることがあれば何でもバンバン聞いてみましょう。
こちらが真剣にステキな家を建てたいという思いがあれば、営業マンもきっと熱い思いで答えてくれます。
ただ、稀に「住宅を売りたい」という思いから、最初から個人情報を必要以上に聞き出そうとする営業マンもいるので、何でもかんでも質問されたことに対して回答するのは控えたほうが良さそうです。
例えば、「お勤め先は?」「年収は?」「自己資金は?」など直接、聞かれると私たちも抵抗を感じてしまって心に壁をつくってしまいますよね。
そういったあからさまな質問をしてくる営業マンは少ないにしろ、色々な性質の人もおられるので、あなたが営業マンの対応に「ちょっと違う。。。」「やりにくい。。。」と感じたなら相性の合わない営業マンだと判断して別の人に担当として付いてもらったほうが良いかもしれません。
誰から見ても優れているとされる営業マンでも、ある人から見れば「気を遣って気軽に話せない。。。」「ちょっと感性や感覚が違う。。。」など相性が合わない場合があるものです。
最初は気にならなかったことが、だんだん打ち合わせを重ねていくうちに相性がわかってくることも多いので、気づいたときには担当替えが難しいこともあるでしょう。
そうならないためには、出来るだけ早い時期に、営業マンとの相性を知ることが必要になってきます。
相性を知るためには、営業マンとよく会話をして感じ取る方法が一番です。
こちらが質問したことに「的確に答えてくれるか」「誠意を持って答えてくれているか」など営業マンの対応に意識を向けて接するのです。
様々な営業マンがいる中で、相性の合う合わないは、個々人によって異なります。
「どのような営業マンが私に合っているのか?」と悩まれる人もいるでしょう。
そんなときは、私は、「直感」で担当営業マンを決めることも良いことであると思っています。
直感は「今まであなたが経験してきたことを元にした無意識の決断」だと感じているからです。
直感で「この人とはウマが合う」「何か嫌な感じがする」など、あなたが感じたことは、普段の人間関係においても、あながち間違ってはいなかったのではないでしょうか。
また、営業マンの経験年数も左右されます。
例えば、「ベテランの営業マンは、知識豊富で頼りがいがあるけれど、行動力が低い人が多かったり、ベテラン営業マンのペースで家づくりが進んでしまう」
一方、「新人営業マンは、熱意と純粋さがあって気軽に話しやすく、家づくりもこちらのペースで進めやすいけれど、経験的に不安」
など、あなたの求めている営業マン像も相性に大きく関わってきます。
良い家づくりをするためには、営業マンが大きな鍵を握っています。
新築の引渡しまでの長い期間、良き相談役として、また、良き連絡調整係として二人三脚でお付き合いしていく担当営業マンなので、慎重に選ぶことが重要です。
モデルハウスに行くと、営業マンが必ずと言っていいほどお客さんのことを、あれこれ質問してきます。
あらかじめ、アンケートを記入したのなら、その項目は省かれる、または、確認の意味で質問されるでしょう。
営業マンから必ずされる(営業マンが知りたい)質問項目は下記のとおりです。
氏名は?
名前が分からなければ、そもそも誰に住宅を販売しようとしているのか分かりません。
もしかすると、他社のスパイかもと疑われ、必要な情報が得られないかもしれません。
年齢は?
その年齢に合ったニーズをつかむのと、住宅ローンが何年組めるのかの判断にしています。
どこに住んでいるのか?
住所が分からなければ、資料送付や必要な時の自宅訪問が出来ません。
勤務先は?
(何年勤務しているか含む)
金融機関の融資の審査をするときに必要。
融資をした後に、勤務先の会社が傾いてしまって倒産などがあれば返済が滞るかもしれないからです。
また、短い期間に何度も転職されているケースでは、融資の審査で落ちやすいそう。
年収はどれぐらい?
金融機関からの借入可能額をつかむためです。
いくらまでの住宅が購入できるのかということです。
現在ローンを組んでいるなど借金があるかどうか?
住宅ローンの融資額に影響します。
何のための借金なのか、趣味で浪費として使ったお金なのかなど金融機関での審査の対象となります。
新築の準備をはじめたところか、既に何ヶ月か前から始めているのか?
お客さんの住宅知識に合わせた説明が出来ることや、既に前から準備を進めているなら、現在抱えている悩みに対する相談からニーズを読み取ったり、他社との比較から、より突っ込んだ自社アピールが出来るため。
家を建てる時期はいつか?
良い住宅会社が見つかれば、すぐに契約してくれる客か、まだまだ建てる予定がない客かを選別し販売営業に力をいれる時期を見ています。
建てる土地は決まっているのか?
(建て替えかどうかも含む)
建てる土地があれば、敷地調査、間取りプランなど順を追ってスムーズに案内や提案が出来ますし、家づくりを早期に進めてもらえます。
また、建て替えや新規の土地を探しているなら資金計画にも、建て替え費用や土地の取得費用等、反映させなければならないからです。
土地探しからはじめるなら希望の地区はどこ?
お客さんのニーズに合わせた希望地区の物件概要を集めたり、土地単価等を考えて資金計画や間取りプランを作るためです。
現在は持ち家なのか、賃貸なのか?
(賃貸なら月々の支払額)
月々に支払える額から大体の年収を計算してみたり、金融機関からの大体の融資額を計算できます。
また、いくらぐらいの費用負担で暮らしていけるといったお客さんの資金体力を把握して、プランに反映させています。
今の住居に何年住んでいるのか?
新築を建てるに至った必要性をはかっていることや、何年で自己資金をどのぐらい貯めることが出来たかで、堅実な客かどうかを確かめている。
家族は、何人か?
(子供の人数や年齢も含む)
家族の人数を聞くことで、大体の建坪数を把握し、間取りプランに反映させている。
また、子供を抱える夫婦のニーズを叶えた住宅販売の訴求ができる。
他の住宅会社で気になっているところはあるのか?
(他社のハウスメーカー名や工務店、設計事務所など)
競合会社を把握することで、ライバルを意識した住宅プランや価格設定などを差別化し提案できる。
新築の予算はどれぐらい?
(親などの援助も含めて)
資金計画を立てるうえの参考となります。
どの程度の資金レベルの、プランを作成するかの目安にもなります。
自己資金(頭金)はどれくらい?
金融機関からの借り入れ額はどの程度で済むのかを知るためです。
また、自己資金が多く貯まっているのであれば、堅実なお客さんだとの判断もできます。
逆に、年収が高いのに自己資金が少なければ、浪費家だと判断されてハウスメーカーや金融機関の評価が低下することも。
新築したなら住居の月々の支払い希望額は?
金融機関から借りる融資額を把握するためです。
どんな間取りを求めているのかなどの要望
最終的に、間取りプランにお客さんのこだわりや、細かい要望を反映させた、その家族ならではのオンリーワンの住宅を建ててもらうためです。
最初は、ある程度、要望を聞き取った間取りプランを提示し、それを叩き台として、変更や追加を重ねていきます。
と一通り上げてみると多くのものがあります。
モデルハウスに訪れた日に、すべての項目を質問する営業マンも少ないでしょうが、プランを作成してもらうまでには、あの手この手で必ず質問される項目です。
アンケートでそれらの情報を入手したり、何気ない雑談の中で聞き出そうとしたりと様々ですが、こういった項目を質問されるということを念頭に、事前にシュミレーションしておきましょう。
住宅展示場へ行くと様々な営業マンがいますが、基本的にお客さんに対して腰が低く、丁寧に扱ってくれる方々がほとんどでしょう。
お客さんは「ハウスメーカーを選択できる立場」なので、担当の営業マンと相性が合わないと感じれば、別のハウスメーカーで建てる選択権が与えられているわけです。
なので、営業マンに対しては、表には出さないまでも、多少、無意識に立場が上のような気持ちになってしまって、知らず知らずのうちに社会ルールから少し外れた行動をしてしまうこともあるのではないでしょうか?
例えば、「予約していた時間に間に合わず、大幅な遅刻をしてしまった場合には、あらかじめ一報をいれおく」ことは、大事なことだと思います。
営業マンは、その時間に合わせて資料などの準備をして時間をとっていてくれるのですから。
売れっ子の営業マンなら、なおさら限られた時間の中で、私たちのために時間を空けて準備をしてくれています。
最悪の場合には、予約時間に訪問されないので、しびれを切らした営業マンがお客さんに連絡をいれたら「都合が悪いので、別の日で」というケースも。
営業マンは、接客業ですので、どのようなことでも、ある程度は笑って許してくれそうです。
でも、営業マンも「感情のある人」ですから、「このお客さんのために、誠心誠意がんばりたい!」という気持ちは大きくそがれて、その後の家づくりは淡々と作業的に進められるのではないでしょうか。
「このお客さんとは、良い仕事ができない」という、イメージを持たれないためにも、最低限の礼儀は必要というわけです。
私たちが、営業マンを選別するのと同じように、営業マンもお客さんを選別しています。
例えば、「職業や年収」はもちろんのこと、「本当に家を建てる気で、来ているのか」、「いまスグにでも建てたいのか、数年後でよいのか」という基準で優劣を付けています。
もし、職業が今日明日、倒産してしまうような不安定なものであれば、家を建てたのはいいけど、資金回収ができず、ハウスメーカーの負債として残ってしまいます。
年収についても、低すぎる所得で新築のお手伝いをしても、不安しか残りませんよね。
また、ハウスメーカーが気にしていることが「同業者が情報収集に来ているのではないか」ということや「冷やかし客」の存在。
ハウスメーカーに興味を持って、将来の家づくりためにモデルハウスに訪問してきたのなら歓迎されても、「粗品目的」だったり「商品券など来場プレゼント」だけを目当てに来られる冷やかし客は、営業マンにとって喜ばれるものではありません。
営業マンは、年間の契約棟数が決められているというノルマを達成するためや、本当に住宅購入を真剣に考えているお客さんのために、必要な労力とコストをかけたいという思いを持っておられます。
なので、本音のところでいうと、「住宅予算に不安がなく、スグにでも新築が欲しい」というお客さんばかりを相手にしたいんですね。
でも、そのような営業マンにとって都合の良いお客さんは、多くいるわけではありません。
少なからす、色々な不安や悩みを抱えて、モデルハウスに来ているお客さんばかりだと思うんです。
住宅を建てる上で障害があれば、「契約までは無理かも。。。」と営業マンの心境としても、少し引いたところでお付き合いされることになってしまうわけです。
あからさまに、優劣を態度で表してくる営業マンは最低だとしても、私たちも出来る限り安心して、営業マンに力を発揮してもらえるように配慮すべきかもしれません。
例えば、もし職業や年収に不安があれば、自分なりに「必要な建築資金をどこから調達してくるのか」を考えたり、「金融機関に融資額の相談」をしたりと出来ることは、少なからずあるはずです。
ハウスメーカーの中にはファイナンシャルプランナーに無料相談できるセミナーを設けていたり、無料で個別にライフプランを作成してもらえるサービスもあります。
そういったところに参加したりと、多少なりともの頑張りがあれば、営業マンも「真剣に家づくりを考えている」という思いが伝わって、何としても力になりたいと思ってもらえるはずです。
また、モデルハウスへ訪れるときの服装についても、不快を感じさせない清潔感のある印象のものが望まれます。
明らかに外行きでない家着で訪問したり、汚れた作業着で訪問したりは、あまりよろしくありません。
普段、見慣れないような奇抜な格好も、営業マンに「皆さんとはちょっと違った感覚のお客さん」と構えられてしまうので、避けたほうが無難でしょう。
私たちも、しっかり良い営業担当についてもらうために選別することは大事ですが、営業マンにとっても「このお客さんのために頑張りたい」と思ってもらえるようでなければ、「本当の理想の家」をカタチにすることは難しいでしょう。
「家づくりの成功、失敗は営業マンによって、左右される」と聞かれたことはありませんか?
営業マンは、ハウスメーカー選定から契約までのお付き合いだと思っておられる人も多いですが、実は、契約した後の方が重要な役割を担っているのです。
契約後の具体的な打ち合わせは、営業マンが付きそうハウスメーカーがほとんどですし、建築中の現場監督との調整や金融機関の融資の段取りも、みんな営業マンが担当します。
いわば、私たちの代わりに動いてくれる、右腕のようなもので、あなたの家づくりプロジェクトを進めるためのパートナーなのです。
家づくりの工程には、設計士、現場監督、インテリアコーディネーターなど複数の専門職があなたの家づくりに携わります。
言ってしまえば、それらの専門職の方々に、適切な指示をして、あなたの理想の住宅を作り上げる一大プロジェクトのリーダーが「あなた」なのです。
また、プロジェクトリーダーである あなたの傍で、専門知識と経験を活かし あなたにアドバイスをしたり、総合的な連絡調整をおこなうのが「担当営業マン」というイメージ。
私たちは、全くの住宅の素人なので、営業マンから教えてもらうことも多いですし、家づくりを進めるにあたっての手厚いサポートもしてくれます。
私たちの要望や必要な事柄を、確実に現場の職人や専門職の方々に伝達し、思い描いた理想の家をカタチにしていく。
そんなことを考えると、営業マンはとても重要な役割を果たしていると気づくのではないでしょうか。
ちなみに、私は営業マンは戦国時代の「軍師」的な役割だと思っています。
(今で言う、秘書みたいなものですね^^)
たまに、お客さんと営業マンは対極にある関係だと思っている人もおられますが、「お客さんVS営業マン」ではなく「お客さん=営業マン」という見方のほうが正当だと思います。
値引き交渉についても「お客さんVS営業マン」ではなく「お客さん=営業マンVSハウスメーカー」というイメージでしょうか。
「お客さんのために、営業マンが自社の支店長を説得して値引きを勝ち取る」
そのようなイメージを私は持っていますし、実際、私もそのような営業マンと巡り合えたので、とても満足で理想的な住宅を手に入れる事ができました。
なので、営業マンを選ぶときには、自分の「軍師」もしくは「秘書」を決めるというぐらいの意識でいることが大事ですよ。
住宅展示場のモデルハウスを訪れ、「ちょっとこの人、苦手そう」という営業マンに対応してもらうことになった。
そのような場合は、アンケートの記入を控えて、早々に退散してしまう方法が有効ですが、なかなか気の良い人にとっては、断りきれない場合もありますよね。
もし、断りきれずに、営業マンからセールスをしつこく受けることになった場合は、どのようにすれば良いのでしょうか。
そんなときは、
が有効な手段です。
それでは、一つずつ説明していきますね。
例えば、「新築は数年後でしか考えていない」というように、今すぐ建てるつもりはないが、参考として見に来ているとあらかじめ伝える。
または、「予算の上限は建物1,500万円ほど」とハウスメーカーなら通常、3000万円近くかかるのに、極端に低予算を告げておく。
さらに、「土地は今から探す」ということを付け加えれば、手間のかかるお客さんというイメージを持たれて、セールスの意欲を失わせます。
「住宅展示場でしているイベントに来ていて、子供が喜ぶプレゼントがもらえるという看板を見て来た」
「まだ家を建てるつもりはないけれど、イベントのついでに興味本位でモデルハウスに入った」
と伝えるのも有効ではないでしょうか。
要するに、営業マンにとって契約から程遠いお客さんと営業マンに印象付ければ、その後のしつこいセールスはほとんどの場合、ありません。
営業マンから接客を受けている時に、「この営業マンとは感覚が合わない」と感じたなら、第三者をつかってセールス攻撃をかわすのも一つの方法です。
例えば、「どのような家が希望なのか」と尋ねられたら、「実は、私でなく身内が新築を考えているので、代わりにモデルハウスに立ち寄った」と伝えるのです。
「なので、今日は、身内に渡せるような参考となるカタログだけもらいにきました」と言えば、それ以上、営業マンはセールスが出来なくなります。
そうなると、身内の住所と名前、電話番号を聞いてくる営業マンもいますが、「なかなか身内に断りもなく個人情報を伝えるのも気が引けますので。。。」と逃げることも出来ますし、「また、興味があれば本人が来るので、その時に直接、聞いてください」ということも出来ます。
「私は、代理人なので私にセールスをかけても意味はないですよ」と感覚的に知らせることで、営業マンからのしつこいセールスを断ることが出来るというわけです。
営業マンのセールス攻撃をかわす良い理由が見付からないという人は、シンプルに「時間がないので、今日は帰ります」と話の合間をみて伝えてみても良いでしょう。
あれこれ、不自然な理由を考える自分も嫌になってきますし、かといって、この場にも居たくない。
そのような時は、「この後、他の用事があって、五分後にはここを出なければいけない」など、時間を切って引き上げるという手が一番楽なのではないでしょうか。
もし、そのハウスメーカーが少し気になっているようなら、「時間がなのでカタログだけもらって帰っていいですか?」と言ってしまう。
そうすれば、ゆっくりカタログを見ながら自宅で検討することも出来ます。
ただし、既にアンケートを書いてしまっていたのなら、後日、電話や自宅訪問などの営業を受けることになってしまうので、心配なら「ゆっくり検討したい」旨を伝えてあらかじめ営業NGを出しておきましょう。
モデルハウスに入って対応してもらった営業マンが、次のような人なら要注意です。
話の流れに沿わず、「どこにお勤めですか?」「年収はいくらぐらいですか?」「家族構成は?」「年齢は?」「住所は?」「連絡先は?」と最初に聞いてくる営業マンがおられます。
私たちは、わざわざ住宅展示場に足を運び、モデルハウスに立ち寄ったのは、住まいづくりの情報を得るためですよね。
なのに、いきなり営業マンから多くの個人情報を聞かれるって、なんだか不快な気分になりませんか。
結局、個人情報だけを抜き取られて、住まいづくりのことがはっきり分からないままモデルハウスを後にすることになる。
そして、その個人情報を元に、しつこいセールスがかかってくる。
お客さんの目線に立った営業マンなら、私たちの知りたい情報を知りたいだけ与えてくれた後に、お客さんのニーズをしっかり聞き取り、そのニーズを満たすための最小限度の個人情報を聞いてくる。
そのような営業マンが理想なのではないでしょうか。
不自然な流れで個人情報を聞いてきたり、お客さんが話したくないようなプライベートな事を、無神経に聞いてくる営業マンは、家づくりのパートナーとしては、不安要素が大きいですよね。
私たちは、「住まいづくりについて何から始めなければならないのか」「訪れたハウスメーカーは、自分の理想を叶えてくれるのか」と期待と不安を膨らませてモデルハウスを訪れます。
でも、こちらが聞きたい、知りたいことに真剣に耳を傾けて受け答えしてくれるのではなく、一方的に営業マン側の話したい事をしゃべられたらどうでしょう。
「ウチの良いところはココなんですよ!」「他社よりもココが優れているんですよ!」と、まくし立てられても一向に響きません。
「お客さんのことを考えない」というイメージも抱きますし、「契約さえしてもらえば、それでいい」という印象も持ってしまいます。
そんな営業マンだと、うんざりして、話を聞くどころではありませんよね。
良い営業マンなら、お客さんの知りたいこと、聞きたいことを十分に伝えた中で、お客さんのニーズを読み取り、お客さんのペースで提案をされるはずです。
一方的に喋られすぎて、結局、知りたいことを教えてくれないまま、疲れて帰るハメになる。
そのような事態を避けるために、このような営業マンに出会ったら早々に退散しましょう。
住まいづくりを始めた時は、「何が私たちに必要な情報かが分からない」
そのような状態ですよね。
なのに、モデルハウス内を見学している時に、後ろからただ付いてきて、私たちからの質問に答えるだけ。
案内をされているというよりは、監視されているだけのような印象を抱きます。
「私たちには、どのような情報が必要なのか」「私たちが最初に得なければならない情報」などを、対応中の会話の中から整理して伝えてくれるのが、良い営業マンというものです。
お客さんに言われたことだけしか出来ない営業マンは、契約後の調整役としては、とても不安です。
営業マンとの会話の中で、「私たちのするべきことや重点を置くポイントが分かってくる」「家づくりの流れが何となく分かってくる」「自分の作りたい理想の家がおぼろげにでも見えてきた」
など、自分たちのニーズや目指すところが見えくる営業マンとお付き合いをしていきたいですね。
そうでない営業マンが担当に付くと、あとあと困ることは明白ですよ。
営業マンは、一人のお客さんだけを担当しているのではなく、営業マン一人で多くのお客さんを担当しています。
なので、一人一人のお客さんの要望を覚えていることは、不可能です。
もし、営業マンがあなたの要望をメモ等、何も取らずに聞いていたら要注意ですよ。
そもそも口頭だけで、人に何かを伝えることは、とても難しいと言われています。
人に伝えたことが、回りまわって帰って来た時に、間違った認識での話になっていたり、大げさな話の内容になっていたりすることは多いものです。
「伝わったと思っていても、実際は半分も相手に伝わっていなかった」ということもザラにあります。
また、人から聞いた話の内容は20分もすると42%忘れている。
1時間後には56%も忘れているというエビングハウスの忘却(ぼうきゃく)曲線 は有名です。
メモを取らない姿勢は、お客さんであるあなたの要望を、真剣に捉えることを放棄していると言えるでしょう。
そのような営業マンは、契約後も大事な約束をすっぽかしたり、言った言わないのトラブルの種を持っていると考えてしまいますよね。
「この人と一緒にいると、なんだか緊張する」
そのような人は、あなたの周りにいませんか?
「尊敬している人」や「好意を抱いている人」という良い意味の緊張ではなく、「何だか必要以上に、気をつかってしまう」「気軽に話せない雰囲気」という緊張です。
職場では、うまく付き合って行かなければならないので、我慢も必要ですが、担当する営業マンが、必要以上に気をつかわす人なら避けたほうが無難なのは言うまでもありません。
家づくりは、営業マンと二人三脚と言われますが、まさにその通り。
分からないことを聞いたり、住まいづくりの相談相手、また家づくりに関する調整役として、常に身近でバックアップしてくれる存在なのです。
なのに、「伝えたい要望が、気づかうあまり言えない」「こんなこと聞いたり、お願いしたら不機嫌な顔をされるのでは」という雰囲気を持つ営業マンだったら、家づくりが失敗の終わることは確実です。
何でも、気軽に話せて心を許せる営業マンこそを担当にする。
そういった事を意識しながら、良い担当営業マンを見つけてくださいね。
担当営業マンを変更してもらうことは、とても難しいと言われています。
それは、歩合給の割り振りという会社内部の事情や営業マン同士の見込み客獲得争いの事情が大きく関係してくるからです。
でも、私たちお客さん側からすれば、何千万もの大金を払う一生に一度の買い物ですし、失敗は許されません。
また、人生を左右するといっても過言ではない新築を、初めてモデルハウスを訪れた際に対応してもらった営業マンが担当になる。
そんなアッサリ会社側都合で決められるなんて、私たちからみれば、たまったものではありませんよね。
「私たちにも営業マンを選ぶ権利はある!」
ということで、あなたにとって残念な営業マンにあたってしまった場合の変更方法をお伝えしていきます。
大手ハウスメーカーなら特に、同じ都道府県内の住宅展示場に、支店となるモデルハウスを何店舗か構えられています。
最初に訪れたモデルハウスでない、別の支店のモデルハウスに新規のお客さんとして行ってみるのです。
そこでは、受付の人から「初めてのお客様ですか」と聞かれるのが通常ですので「初めてです」と伝えます。
その上で、アンケートの記入を促されますが、「話を聞いてから判断してもよいですか」や「記入は後で考えさせてもらってからにします」などと言って、断っておきます。
「初めてでない」と伝えてしまえば、「担当は誰ですか」と聞かれて、元の担当が付いてしまうことになりますし、アンケートを早々に記入してしまえば、後で名前や住所などから担当が既にいるお客さんと判断されて、元の担当が引き続き営業担当となってしまうのです。
また、最終に判断してアンケートを記入する意味は、新たに対応してもらた営業マンが、あなたにとって合格基準に達しているのかどうかを判断するためです。
新たに対応してもらった営業マンが、あなたの合格基準に達しなければ、そのままアンケートを記入せずに帰ることになりますし、もし、「この人が良い!」という営業マンなら、担当変えをしたい旨を伝えることになるでしょう。
担当変えをしたい旨を、新たな営業マンに伝える例としては、
実は、以前に別支店のモデルハウスに行ったことがあって、その時対応してもらった○○さんが担当として付いてもらっているようです。
でも、○○さんは、私たちと相性が合わない感じがするので、△△さん(新たな営業マン)が担当として付いてもらうことは出来ますか?
せっかく、こちらのハウスメーカーに興味があるのに、営業担当のために別のハウスメーカーで、建てるのも何なので。。。
といった様に伝えると、担当の変更を考えてくれるでしょう。
そこで、その場で「分かりました!そのように前担当に伝えておきます」と快く言ってくれれば、良いですが、もし、担当変えを渋るようでしたら支店長などの責任者宛に、メールで事情を伝えて、支店長から担当の変更を促してもらうようにします。
メールの例文は下記のとおりです。
○○ハウス
支店長 ○○ ○○ 様
いつも、お世話になっております。
○○ハウスに、興味をもっている○○と申します。
今回、メールさせていただいたのは、営業担当の件です。
以前、貴社のモデルハウスを訪れたときに、対応してくださった○○さんが営業担当となっているようなのですが、△△さんに営業担当になっていただくことを希望したいのです。
○○さんが、私たちのために頑張って頂いているのは承知しておりますが、やはり相性というものがあり、譲れないところでございます。
貴社側の様々なご事情もあるかと思うと恐縮なのですが、私たちの理想の家づくりをするためには、私たちが選んだ営業担当であることが必須と考えております。
何卒、私たちの心を汲んで頂き、△△さんに営業担当となっていただくことを ご配慮いただきますようお願いします。
○○ ○○(あなたの氏名)
といった感じで、メールをすると営業担当の変更に動いてくれるはずです。
もし、これでも営業担当の変更に動いてくれない状況なら、はっきり言ってしまうと、そのハウスメーカーは避けたほうが良いのではと感じます。
なぜかというと、お客様優先主義ではなく企業中心主義の考え方をもっているハウスメーカーだからです。
企業側が「途中の営業担当の変更は手続きが面倒になる」「社内の人間関係が悪くなる」「社内のルールだから」と企業側の都合を中心として、お客さん側のニーズを満たそうとしない姿勢だからです。
なので、契約後もお客さんの希望やニーズよりも、企業側の立場で考え、企業側の都合の良い方法で家づくりが進んでいくのは、明らかなんです。
さて、ポイントをまとめると、営業担当の変更をするためには、新しい営業担当に変更を申し出るだけでなく、責任者にもメール等で営業担当の変更を申し出てみることが大事だということです。
もちろん、新しく担当となって欲しい営業マンに申し出ることだけで希望が叶えば問題ありませんが、担当を変更することにより社内の営業マン同士で要らない軋轢を生むことになれば、何かと面倒になることが想定されます。
そこで、責任者から上手く旧担当の営業マンに伝えてもらえば、幾分かは問題は取り除けます。
もし、新しい担当となってもらう営業マンが、担当変更に「YES」と言ってくれたものの不安そうな顔をするなら、支店長など責任者宛にメールを私たちから送っておくよう伝えておくと、社内の立場も保たれるのではないでしょうか。
営業担当の変更をするときは、出来るだけ「早いほうが良い」ということです。
長く営業マンとお付き合いすることになれば情もうつってしまって、「担当変更したいけれど、今までそれなりに頑張ってくれたからなぁ」と自分たちよりも営業マンへの同情心を優先し、結局家づくりを進めていく中で大きなストレスになってしまいます。
それに、企業側の営業マンの成績や給与の配分という社内事情で、受け持った営業マンの期間が長期になると、営業マンの変更自体が認められなくなります。
もう少し様子を見てみなければ、「私たちに合う営業マンかどうか分からない」という人も多いでしょうが、引き延ばせば引き伸ばすほど営業担当の変更は難しいと考えておきましょう。(ある程度の期間がないと、相性が合うかどうかは分からないという人は、直感で決めてしまう覚悟も大事です。また、下記の項目も質問をしてみて判断するのも手ですよ。)
「この人は、優秀な営業マンなのかどうか」
家づくりを始める人にとって、これは必ずぶつかる悩みなのではないでしょうか。
自分に付いてもらった担当営業マンが、優秀なのか残念な営業マンなのか。
それが早期に判断できれば、営業担当の変更もスムーズに行えますよね。
ここでは、私たちお客さん側から出来る「優秀な営業マンを見抜く質問」を取り上げます。
営業マンのスキルを計る簡単な方法が、契約棟数です。
平均にして入社4年目までで年間約6棟、入社5年目以降の営業マンで年間約8棟といったところです。
デキる営業マンでなければ、契約棟数は伸ばせないもの。
住宅営業は、切磋琢磨し、試行錯誤を繰り返さなければ、生き抜くことは難しい世界なのです。
また、契約数が多いということは、それだけお客さんの心を掴んできたという証拠にもなり、経験豊富で思わぬトラブルにも上手に対処してくれる期待ができます。
営業マンの経験年数が短い人だと大きなトラブルは少ないかも知れませんが、それでも担当した住宅が多いということは何かしらのトラブルを乗り越えて来ているハズ。
また、お客さんのために、積極的に何かに挑戦して頑張っている営業マンほど、トラブルに遭遇する確率は上がってくるのではないでしょうか。
クレーム産業と言われる住宅業界で「全くトラブルは無かった」という営業マンは、問題意識の欠如や都合の悪い事実を隠すという信頼性に欠ける人ではないかと考えます。
過去のトラブルの経験から、何を学び どのように解決してきたかを聞かせてもらうことで、実際、私たちがトラブルに遭遇した場合の営業マンが行う対処法も見えてきます。
トラブルの受け止め方、トラブルの対処法が、あなたの納得するものであれば、あなたに合った優秀な営業マンと言えるでしょう。
あなたの前にいる営業マンは、何のために今の職に付いているのでしょう。
「営業という仕事が好きだから」「人と話すことが好きだから」「父も営業マンだったから」「家が好きだから」
と色々あるかも知れませんが、本当にそうなのでしょうか。
間違っても、「儲かるから」とはお客さんを目の前にしては言わないでしょうが、上辺だけの建前で回答されるのがオチでしょう。
そのような時は、もっと深堀りした質問を重ねていくと、本音が見えたりします。
お客さん「営業マンになったキッカケってあるんですか?」
営業マン「この仕事が好きだからですかね」
お客さん「そうなんですか。。。どういうところが好きなんですか?」
営業マン「・・・・間取りを考えたり、提案したりですかねぇ。。。」
というように、「今、思いつきで考えたな」と雰囲気から感じ取れる回答をされると ちょっと残念です。
営業マンという仕事に信念をもってやっているという人は、こういった質問に対して即座に答えられるはずだと思いませんか?
いつも、その信念を頭に置き、それに向かって仕事をしているのですから、営業マンという仕事に付いている理由を、いつ何どき聞かれても迷いなく答えられるというのが自然です。
例えば、「引渡し時に、お客様の満足気な表情を見ることが、私のエネルギーの源なんです。」
「家づくりという人生の一大イベントを通して、お客様の幸せをサポートできる大事な仕事だからやり甲斐があるんです。」
「私の担当したお客さんがみんな、ウチのハウスメーカーで建てて良かった、私が担当で良かった と心から感じて欲しい」
「誰もがウチのハウスメーカーで建てたいと思えるような満足度の高いサービスを提供したい」
など、ちょっと恥ずかしくて言えない、少し格好をつけたようなセリフを熱く語られると、お客さんのことを真剣に考えてくれている営業マンだと思うわけです。
そのような話で盛り上がって、その信念に あなたが共感できれば、営業マンとの距離もグッと縮まって信頼感のある良い仕事をしてくれるでしょう。
住宅営業をするためには資格は不要ですが、あるに越したことは間違いありません。
宅地建物取引主任者、建築士、ファイナンシャルプランナーなど住宅に関係する資格はたくさんありますが、あなたの担当になってもらう営業マンは何かの資格をもっておられるでしょうか?
名刺などに記入されていることが多いので、手渡されたときは意識して確認してみましょう。
資格を持っていることは、単純にお客様に最適なアドバイスができる知識を持っているというだけではありません。
仕事に対して向上心や好奇心を持っていることも伺えます。
資格取得は、一般的に どのようなものでも楽して取れるものではありませんので、ある程度の勉強熱心さが求められます。
どれだけベテランの営業マンでも、お客さんのサポートをする中で、新しい知識、経験を得ていく。
また、常日頃、新しい情報を積極的に取り入れて、勉強をし続ける姿勢は 営業職としてとても大事なことではないでしょうか。
お客さんと共に、日々成長するという意識を持っている営業マンは、優秀な営業マンの条件だと考えています。
あなたの選ぶ営業マンは、今まで担当されていたお客さんと良好な関係を築いているでしょうか?
引渡し後も、定期的にお客さんのもとを訪問し続ける、そうでなくても手紙やメール等でつながっていなければ、良好な関係の維持は難しいのではないでしょうか。
ましてや、現在担当しているお客さんの為に、今まで担当した施主さんの家の見学依頼をするということは、「施主がその営業マンを信頼している」「宅内見学を頼める仲」でないと、成し得ないことですよね。
誰だって良い印象を抱いていない担当営業マンに対してのお願いは受けたくないハズ。
逆に、営業マンが アフターケアに自信を持っており、施主さんにとっても営業マンに満足していれば、今まで担当した施主の家を見せてもらうことは 容易なことです。
営業マンから「施主のお宅見学」を数件提案してくれば安心ですし、提案がない場合も、お客さんの方からの依頼で 快く受けてくれて、かつ早期に日程設定してくれるようなら、優秀な営業マンである可能性は大ですよ。
(案内件数が多いほど、信頼されている営業マンという裏付けになりますが、別の営業マンが担当しているお客さんの建てた家ばかりを紹介してくるケースもあるので注意です)
ハウスメーカーによって、得意分野は違っていて当然です。
デザインを重視しているメーカーなのか、構造の強固さを得意としているメーカーなのか、メンテナンスの楽さを得意としているメーカーなのか、一見 同じような住宅に見えても よくよく観察してみると得て不得手があるのが分かります。
また、鉄骨造りならではの建て方や、木造でしか出来ない建て方もあり、ハウスメーカーごとの考え方も異なっています。
そこで、営業マンに質問しておきたい項目が「どのような住宅を得意としているのか」なんです。
これを知っておかないと、他ではラクラクできる間取りでも、選んだハウスメーカーでは自分が望んでいる間取りが実現できなかったり、間接照明やスキップフロアなど内装デザインを重視したいのに、構造上 無理であったりという支障をきたしてしまいます。
前提としてご自身が「どのような家を建てたいのか」ということを、あらかじめ考えておくことは とても大事ですが、自分の希望のする建て方を不得意とするハウスメーカーを選んでしまわないように、そのハウスメーカーの得意分野と苦手分野は抑えておきましょう。
各ハウスメーカーには、必ず独自の特徴というものがあるはずです。
耐震性が高いと一言でいっても、構造自体に工夫があったり、構造を支える制振装置に特徴があったりと様々です。
そのハウスメーカーならではの冷暖房システムがあったり、流行りの全館空調でも それぞれのハウスメーカー色が出ていますし、外壁を見ても磁器タイル、陶器外壁、モルタル、サイディングと使用している建材にもハウスメーカーの特徴が見られます。
独自の特徴を把握することで、あなたが目指す家づくりにマッチしているかどうかを知ることが出来るので、是非とも質問したい項目です。
営業マンに質問した時に、コレといった特徴が感じられない場合は、「営業マンの勉強不足」か「目立った特徴がない」というハウスメーカーなので、別の営業マンに質問するか、別のハウスメーカーを検討する指標にもなりますよ。
坪単価は、あくまで目安で参考程度でしかないと言われていることですが、そのハウスメーカーの価格帯を知るという意味では重要です。
1㎡で○○万円とあらかじめ明確に定められているハウスメーカーもあるかと思えば、完全な注文住宅なので坪単価という概念はありませんというハウスメーカーもあります。
大体の坪単価でも教えてくれるハウスメーカーは比較的、低価格帯のハウスメーカーの傾向があり、坪単価の明示を避けるハウスメーカーは高価格帯の傾向があります。
注意したいところが、坪単価を明示してくれるハウスメーカーでも「坪単価には、どこまでの費用が含まれているのか」ということです。
工事費は含まれていることは当然ですが、カーテン代、照明代、外溝費、登記費用、地盤調査費などの諸経費を含んでいるのかいないかで大きく坪単価は変わってきます。
お客さんが新築に支払う費用は、純粋な建物の費用だけではありませんよね。
新築時にかかる費用は、建物だけでなく、それに付随してくる費用も考慮に入れておく必要があるんです。
実際、坪単価50万と言われて、喜んで契約したら、諸経費やその他費用がプラスされて65万ほどになったというケースもあります。
また、坪単価は、一般的に「坪単価 = 本体価格 ÷ 延べ床面積」で表すのですが、「坪単価 = 本体価格 ÷ 施工面積」で伝えてくるハウスメーカーもあります。
延べ床面積・・・床がある部分の面積を合計したもの
施工面積・・・延べ床面積からバルコニー、小屋裏収納、玄関ポーチ、ウッドデッキなどの面積を加えた全体の面積。
延べ床面積よりも施工面積が大きくなるので、分母が大きくなる分、施工面積で計算したほうが坪単価を安く見せることが出来るのが特徴です。
坪単価の計算方法は、定義されておらず、各ハウスメーカーに任せられているので、注意が必要です。
この辺りは、営業マンへ質問する中で明確にしておきたいところですね。
住宅展示場のモデルハウスを見学すると、センスの良い内装の造りをはじめとする インテリアや建具に心を奪われます。
内装だけではなく、美しい外壁タイルも使われていたり、建物の形状も 良い雰囲気を出していますよね。
「このハウスメーカーで建てると、このような住宅に住めるのか」と期待を膨らませるのですが、これらの住宅仕様は 標準仕様に多くの費用を追加して造られたオプション仕様ばかりなのです。
高所得者ならともかく一般人が実際に建てることができる標準仕様は、モデルハウスよりはるかに見劣りするものです。
(実際に建てられたお宅のオープンハウスに行くと実感できます。。。)
ただ、全てのハウスメーカーが、モデルハウスに一般人の手の届かない仕様ばかりを使っているわけではありません。
数あるハウスメーカーの中には、モデルハウスで使用しているキッチンや建具を標準仕様としているメーカーもあるのです。
これについては、営業マンに質問をして「どこまでが標準仕様で、どこまでがオプション仕様なのか」を聞かなければ分かりません。
ご自身の希望の間取りや希望の住宅仕様にしたいと考えたときに、「追加費用なしの標準仕様で建てられるのか」、「追加費用を支払わなければならないオプション仕様になってしまうのか」「オプション仕様ならどのぐらいの追加料金になるのか」を営業マンに質問をして明確にしておきたいところです。
その為には、あらかじめ、ご自身がどのような住宅を希望しているのかを ある程度考えておくことが必要です。
耐震性能は、住宅の根幹になる大事な性能です。
営業マンに、「どの程度の耐震性能があるのか」を質問しておくことは とても大事なことです。
ただ、耐震性能は、どこのハウスメーカーでも 自信を持っている分野です。
国が定めた住宅性能表示制度の最高ランクである「等級3」の基準値に達していることは元より、それ以上の耐震性能を誇るハウスメーカーばかりが住宅展示場に集まっているのですから。
※「耐震等級3」は、消防署など災害時の支援拠点となる建物の耐震性能に匹敵し、数百年に一度の確率で発生する大震災の1.5倍の地震力でも倒壊しない耐震性能を示します。
そういうことから、大手のハウスメーカーを選択することについては、耐震性能は特に気にする必要はないのかも知れません。
しかし、住宅自体の倒壊は防げても 家内部の家具やインテリアの倒壊により 住人が怪我をしたり、押しつぶされたりする被害事例もあるのです。
また、「何度も大きな地震エネルギーを受け続けることで 構造内部に損傷をつくること」、「内装クロスの亀裂や床材のたわみなどの地震後の補修」で多額の費用がかかってしまうというケースも見られるようになってきました。
なので、「どの程度の地震エネルギーを 何回受けても倒壊しないのか」という耐震性能の質問と合わせて、「住宅内部の損傷を防ぐ、どうのような工夫がされているのか」という質問も忘れずにしておきましょう。
断熱性能(Q値・・・キュー値))を知ってハウスメーカー比較の基準にすることは、もはや定番となっています。
多くのハウスメーカーがQ値という断熱性能の数値を公表しているので、明確に比較しやすいからでしょう。
Q値というのは「熱損失係数」というもので、延床面積を基準に計算される断熱性能の指標となるものでしたが、これは、平成11年の「次世代省エネ基準」によるもので、少々時代に合っていないものなんです。
そこで、平成25年の「改正省エネ基準」という新基準は、外皮表面積基準の「外皮平均熱貫流率(Ua値)」にポイントを当てているものになっています。
簡単にいうと、今までは建物から逃げていく熱量を「延床面積」のみで割って計算していたものを、住宅の天井、外壁、床、開口、土間床の面積を全て合わせた「外皮等面積」で割って計算するという基準に変わったんです。
これで、建物の形状や規模に左右されない比較的正確な断熱性能が はじき出せるというわけなのです。
細かい点を言えば、平成25年の「改正省エネ基準」は「冷房期の平均日射熱取得率(ηA値)という基準に変更されたことや、一次エネルギー消費量の基準が追加されたりと複雑になりましたが、ここでは単純に、現在は断熱性能に対する基準や考え方が従来と変更されているということを覚えておきましょう。
でも実際は、平成25年の「改正省エネ基準」で考えられるようになったものの、広くQ値(熱損失係数)が住宅用語として浸透してしまったため、各ハウスメーカーのカタログやWEB情報、営業マンの説明では未だにQ値という基準で断熱性能を評価しているメーカーもあります。
Q値というのは古い基準なのに、営業マンに質問した時に「Q値が高いので断熱性能が高い」と結論付けてくるようなら、少々不安なんですね。
そこで、新基準について上手く情報整理されていて、外皮平均熱貫流率(Ua値)や冷房期の平均日射熱取得率(ηA値)をもとに、自社を評価して、それを説明しているハウスメーカーは、断熱性能についても先進的な会社だと判断できます。
気密性能は、ハウスメーカーの住宅の質をはかる上で一番、重要な項目です。
気密性能はC値(隙間相当面積・・・シー値)で表され、隙間の量の多い少ないを延床面積で示したもので有名です。
C値は、住宅の床面積1m2あたりに隙間面積がどのくらいあるのかを見る数値で、数値が小さいほど気密性能が高いといえるのです。
C値は「家全体の隙間の合計(c㎡)÷延床面積(㎡)」という計算式で求められるので、
例えば、延床面積が40坪(132m2)の住宅場合で、C値が2(cm2/m2)のとき、
132(m2)×2(cm2/m2)=264(c㎡)になるので住宅全体の隙間を集めると264(c㎡)であるということになります。
264(c㎡)という隙間はハガキサイズで約1.8枚相当になるんです。
それでは、気密性能(C値)が低ければ、どのような不安点があるのでしょうか。
⇒冷暖房をガンガンに効かせても、隙間から冷気や暖気が逃げていきます。
これでは光熱費が無駄になる上、快適性が失われます。
⇒いくら高性能の断熱材を住宅いっぱいに敷き詰めても隙間が多いと断熱できません。
私たちも寒さをしのごうと思ったら、セーターだけでなく上着にウインドブレーカーを着ますよね。
セーターだけなら風が通ってとても寒いです。
セーターが断熱材、ウインドブレーカーが気密と考えれば分かりやすいですね。
⇒冬場は特に外気は乾燥し、室内は生活から発生する水蒸気などで湿気は高め。
湿度は高い方から低い方へ移動するため、隙間が多い住宅だと 室内から壁内へ大量の湿気が侵入します。
そうすると、壁内の断熱材に水分が含みカビを発生させますし、構造などの建材を腐敗させ住宅の寿命を縮めることにもなります。
⇒隙間だらけの住宅は、色々な箇所から汚れた外気が流入し、換気システムがあったとしても上手く排出することが出来ないので宅内環境は悪化します。
換気は、空気を流入させる給気口、排出させる排気口以外に 必要以上に空気の流入口や排気口があっては、うまく作用しないのです。
また、宅内で発生した汚れた空気を数時間で完全に入れ替えるという換気に 計画性を持たせようとすると、隙間だらけの家では難しいですよね。
気密性能が低いと、上記のような問題を招くのですが、驚くべきことに日本では気密性(C値)の基準がないんです。
なので、極端な話、隙間風がビュービュー通る不快感いっぱいの住宅でも 難なく検査は通ってしまうんですね。
ところで、冒頭でも述べた「気密性能は、ハウスメーカーの住宅性能を判断する上で一番重要」ということ。
これは、実際 建てられたお客さんの住宅性能を、直接 表す数値だからです。
例えば、断熱性能は、高性能の断熱材を設置しさえすれば、設計上、断熱性能が高いという評価が得られます。
あくまで、設計図面上のことで、指定の断熱材を 指定の工法で建てた場合の仮定の数値なんです。
でも、気密性能は実際の住宅で、通常、内装工事前と引渡し前の2回に渡って測定器を使い数値を出すので、住宅そのものの気密性能が直接表れます。
ハウスメーカーも誤魔化しができない一邸一邸ごとの「生の数値」が出るというわけなんです。
なのでハウスメーカーの多くが、気密測定を嫌がっているという事実があるのです。
(気密性能を、公表していないハウスメーカーがほとんど。。。)
あらかじめ気密性能の数値を宣言してしまうと、その数値が出ないと施工のやり直しになってしまいますし、基準となる気密性能に達するために、手間が かかるだけでなく精密な施工が求められます。
結果的に、高い技術や優秀な職人を雇わなければならない事態となってコストが増加するという事態に。。。
そういうわけで、営業マンに質問する項目として「気密性」の数値は必ず聞いておいたほうが良いでしょう。
気密性(C値)を公表していないというハウスメーカーが多い中で、もし自信を持って気密性(C値)を公表し測定まで徹底しているハウスメーカーの住宅は良質と言えそうです。
耐火・防火性能も、営業マンへ質問しておきたい項目になります。
ちなみに「耐火性能」というのは、住宅自体が持っている火事に耐えうる性能のことで、 「防火性能」は、その住宅の周りからの出火に対して耐えうる性能のことです。
この項目も、大手ハウスメーカーなら 特に心配は無さそうですが、大事な所は 「なぜ耐火・防火性能が高いと言えるのか」なんです。
「燃え広がらない不燃材料を使用しているからなのか」「外壁にタイルや発泡系コンクリートを使用しているからなのか」「構造の枠組材がファイアーストップとなって火の燃え広がりを防止しているから」なのかハウスメーカーによって様々ですが、それを知っておくことは重要です。
ざっくり言えば 耐火・防火性能は、「鉄骨か木造か」「使用している建材自体の燃えにくさ」「断熱材の燃えにくさ」「防火設備のランク」という各項目によって性能が位置づけられます。
これらを念頭にして 営業マンに質問し、ハウスメーカーが考えている対策を聞き出しましょう。
しっかり説得力のある実験をしているハウスメーカーもあるので、聞くだけでなく 実際 目で見たり体感したりするのも良いですね。
ところで、「消防白書」によれば、火事の95%は、通報されてから15分以内に消火活動が行われているといわれます。
なので、最低でも15分間の火災に耐える構造や内装でなければならないことになります。
木材の着火温度は260℃と言われていますが、3m離れた隣家から出火すると、住宅の外壁が受ける温度は840℃にも達するので ひとたまりもありません。
また、最近の住宅の事例でも 隣家からの火災による炎は、外壁を突き抜けるよりも先に、窓からの侵入率がとても高いのです。
(大手ハウスメーカーでも、外壁は形を残したまま、内部は全焼というケースも。。。)
この点の対策も しっかりされているかのチェックも必要なんですね。
さらに、火災時に恐るべきは、建材から発生する有毒ガスといわれる専門家もおられます。
最近の住宅には 新建材、新素材が使用されることも多く、有毒ガスを発生させる懸念もあります。
カーテンや壁、床、断熱材などに使用する建材には人工的な化学材料を使用せず、自然素材や安心な建材を使う配慮がされているのかの確認も必要ということです。
ハウスメーカーの採用する工法によって、工期はバラつきがあります。
ユニット工法なら3ヶ月程度で引渡しができる場合もありますし、在来工法と言われる軸組工法は4ヶ月~6ヶ月程度と若干長め。
年々、技術開発が進んで工期が早まってきている傾向にはありますが、結婚に合わせた入居、お子様の出生や就学等、その他イベントに合わせて余裕を持って引渡しを受けたいものです。
もし、ご自身が候補に挙げているハウスメーカーの工期が長いもので、予定していたライフプランに支障をきたしてしまうと大変です。
契約から引渡しの工期を、あらかじめ営業マンに質問しておくことで、計画的に家づくりを進めることができます。
ハウスメーカーを選んでいるときは、建てたあとのアフターサービスのことを考えていない人がほとんどではありませんか?
家は建てて終わりではありません。
「建ててからどのぐらいの費用がかかるのか」、いわゆる維持費(ランニングコスト)にも意識を向けましょう。
例えば、外壁がモルタルやサイディングなら「何年に一度、外壁塗装の塗り直しが必要なのか」、スレート屋根なら「屋根の葺き替え、塗装は何年毎に行えば良い?」
全館空調を設置するなら「月々のメンテナンス費用や保証は何年適用されるのか」などを営業マンに質問をして、メンテナンスに計画性を持たせた予算を残しておかなければ、後々困ります。
外壁がタイルでも、タイルとタイルをつなぐ目地部分だけは10年~20年ごとに取り替えが必要であったりしますし、木造でしたらシロアリ対策も数年ごとに必要でしょう。
太陽光発電のパワーコンディショナーも永久には持ちません。
住み始めてから十数年たち、所々で故障や劣化が積み重なると、平気で数百万円が一気に吹き飛びますよ。
特に機械ものは10数年すると寿命が来ますので、保証期間やメンテナンススケジュールは必ず把握しておきましょう。
なお、雨水の防水関係、構造関係の保証期間やメンテナンススケジュールは、どこのハウスメーカーも今では10年~20年とカタログ上で明示していたり、引渡し後のアフターメンテンスも明確に情報提供されていることが多いです。
でも、設備や外壁、屋根、害虫対策等、十数年ごとに必ずかかってくるメンテナンス費については、営業マンに質問しなければ具体的に教えてくれることは少ないので、注意しましょう。